桐谷さんが選ぶ株主優待 「乗り物系」のお薦め10銘柄

利用価値ありの航空系優待
どうも、桐谷です。今回のテーマは、お薦めの「乗り物優待」です。乗り物には陸・海・空とありますが、まずは空から。航空会社の優待というと日本航空とANAホールディングス、スターフライヤーの3社があります。いずれも5割引きなどで搭乗できる券です。割引率も高く、お薦めできる優待ですね。ただ、もらえる枚数に違いがあるので個別に見ていきましょう。
日本航空はANAやスターフライヤーよりもらえる枚数が少なめ。100株保有だと3月に1枚です。9月は200株以上保有が対象です。よく「早期割引などがあるから優待を使うメリットは薄いのでは」と聞かれますが、一般的に早割は予約の変更ができずキャンセル料も高いという傾向があります。やはり優待券を使って安く搭乗するメリットはあると思います。
ANAの優待券は、100株保有なら3月・9月に1枚ずつ。200株なら2枚ずつ、と400株までは100株ごとに半期に1枚ずつ増えていきます。
スターフライヤーはもらえる枚数が最も多く、100株保有で3月・9月に3枚ずつ、年6枚もらえます。ただし就航区間が少なく、東京・福岡が中心。この区間で飛行機をよく使う人ならいい優待だと思います。
JR各社は割引率に違い
次は陸で、まずはJR各社。現在4社が上場、うち3社の優待がお薦めです。コード順に紹介するとJR東日本。先に紹介した航空3社が無配になったのに対し、こちらは配当を継続。優待の方は100株保有で乗車割引券が1枚。JRの場合、会社によって割引率が違い、東日本は40%引きです。JR西日本は、同じように100株保有で1枚ですが50%引き。東日本より、ちょっと割引率が高いですね。東日本もそうですが、割引券の他に鉄道博物館の入場割引などもあります。
次はJR九州。これは乗り物優待の中でもトップクラスで、50%引き券1枚に加え、買い物などに使える500円券5枚が付きます。かつ韓国・釜山との高速船1万円引き券も。鉄道、船の割引に買い物券まである非常にいい優待です。
私鉄にもお薦め優待があります。京浜急行電鉄は、羽田空港をよく利用する人なら取得したい優待。100株保有で3月のみ2枚乗車券がもらえますが、ここは羽田空港と都心を結ぶ路線があります。また羽田空港内にあるコーヒーショップで使えるコーヒー1杯券も付いています。
また私鉄沿線に住んでいるのなら、その私鉄の株主優待もお薦め。無料乗車券や施設割引券がもらえ、節約につながるからです。私なら西武沿線に住んでいるので西武ホールディングス。ここは割引券が使える施設も多くあります。
もう一つ、私鉄で挙げるなら近鉄グループホールディングス。100株保有で3月・9月に無料乗車券が4枚ずつもらえます。ここは営業エリアが名古屋から大阪までと広いので、優待を使って無料で長距離を移動することができます。
空・陸ときて、海の優待も検討したのですが、あまり役立ちそうな優待が見当たらず……。このため、最後にタクシー優待で第一交通産業を挙げます。配当だけで利回りが3%台。100株保有で年に2回、34もの都道府県で使える1000円分のタクシークーポンがもらえます。

移動は新幹線派の私。その時に持参するのがアイマスクと、小型の目覚まし時計(写真)。移動時に車内でぐっすり寝るため、そして乗り過ごさないため、です。

72歳。元プロ棋士(七段)。1984年の失恋をきっかけに株式投資を始める。現在1000以上の優待銘柄を保有し、その優待品で日々の生活をほぼ賄っている。癒やされる人柄も人気の理由。
(佐藤由紀子)
[日経マネー2022年5月号の記事を再構成]
著者 : 日経マネー
出版 : 日経BP (2022/3/19)
価格 : 750円(税込み)
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