みずほ、改善状況を報告 「システム障害ゼロは困難」
みずほフィナンシャルグループ(FG)は15日、相次いだシステム障害に伴う業務改善計画の進捗を金融庁に報告した。「顧客軽視」との批判を踏まえ、ATMで顧客を待たせない仕組みの整備などを盛り込んだ。障害の一因とされた、積極的に声をあげにくい企業風土の変革についても取り組みを進めている。
同日記者会見した米井公治最高情報責任者(CIO)は「発生したシステム障害の直接的な原因については対応できたが、障害ゼロを実現するのはかなり困難だ。安定稼働に向けてさまざまな手を打ちたい」と話した。
みずほ銀行は4月から順次、ATMコーナーにスピーカー付きのカメラを設置する。万一の障害時にも利用客の不安を最低限にできるよう遠隔から状況を伝えるのに使う想定だ。ATMが止まってもカードや通帳を取り込まない仕様へ改修も終えていて、同様のトラブルは起きないと説明している。
原因となった機器の交換は一通り終え、決済などの重要システムでトラブルが起きないよう点検も急いでいる。みずほでは傘下のみずほ銀行で2021年2月以降システム障害が頻発した。金融庁からの業務改善命令の中で、3カ月ごとに同庁に改善計画の進捗を報告するよう求められており、今回はその初回にあたる。
21年2月のシステム障害では、全国の7割強にあたるATMが止まり、ATMに通帳やキャッシュカードが取り込まれるトラブルが5000件超、起きた。ATMの前で何時間も顧客を待たせ、日曜日だったこともありコールセンターにも電話がつながりにくくなったことで批判が集まった。