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コロナ禍で「ドル調達難」露呈 日銀がリポート

邦銀の「最重要課題」に

日銀は13日、邦銀の外貨資金調達に関するリポートを公表した。新型コロナウイルスの感染拡大で金融市場が動揺した2020年3月にドルの資金繰りが逼迫した問題を踏まえ、大手行に対して「安定的な外貨調達の実現は経営上の最重要課題の一つ」と指摘。金融の目詰まりを防ぐため、調達手法の多様化やリスク管理の徹底を求めた。

邦銀のドル調達を巡っては、海外向けの投融資拡大を背景に資金の安定確保が課題になっている。日銀と米連邦準備理事会(FRB)、欧州中央銀行(ECB)など主要6中央銀行は20年3月にドル供給の枠組みを協調して拡充。供給時の金利を下げたり、供給期間を長くしたりして国際金融市場の動揺を抑えた。

大手行は外貨調達先の分散を進めてきたものの、外貨建て資産の5割以上を貸し出しが占める一方で、負債側では預金の割合が4割弱にとどまっている。預貸の差分を市場から調達する必要があり、金融市場の混乱時にリスクが高まる懸念がある。日銀を通じたドル供給策の利用残高はコロナ禍で一時、約2200億ドル(約25兆円)と米金融危機直後のおよそ1200億ドルを上回った。

日銀はリポートで、大手行の外貨建ての貸出金は20年2月末から4月末までに1000億ドル近く急増したと分析。ドル供給の安全網がなければ、ドル調達難に陥っていた可能性がある。日銀は「市場変動時にも流出しにくい預金を増やす取り組みの重要性が改めて認識されている」と指摘した。

リポートは金融経済の話題を解説する「日銀レビュー」として公表した。

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