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投資デビューは今からでも遅くない?(佐々木明子)

テレビ東京アナウンサー・佐々木明子のニュースな日々

駄菓子屋で学んだお金の使い方

幼い頃、東京・浅草の祖母の家を訪ねる時の兄と私の楽しみは、両親からもらった100円玉を握り締め、近所の駄菓子屋に行くことだった。

さすが下町。店の中では20円でもんじゃ焼きが食べられた。小さなカップに入った茶色いトロトロした生地を鉄板で焼くだけのものだったが、おかげで今も私はもんじゃ焼きが大好きである。もんじゃ焼きを食べて、残るは80円。山積みされた駄菓子は10円のガムからちょっと高級なあんずのジャム、100円では買えない麩(ふ)菓子のセットもあった。ワクワクした気持ちを今でも覚えている。

手に取っては一生懸命に計算をした。今日と明日、2時間前と今とでは欲しいものが違う。たまに兄と協力して200円にして大きな買い物もしたし、全部使わずに少しずつためておこうと相談したこともある。100円をどう使うか。父はお金の大事さを私たち兄妹に学ばせようとしていたようだ。ささいな子供の頃の経験だが、経済の番組を担当する中で時々、あの光景を思い出すことがある。

高校で資産形成を学ぶ時代へ

2022年度から、日本の高校家庭科に「投資」や「資産形成」の授業が盛り込まれる。米国では既に03年ごろから国を挙げて金融教育を進めていて、幼児期はゲームを使って教えたり、学校では投資の授業が当たり前にあったりする。個人の金融資産をどう効率よく運用するか、リスクも踏まえて教えていく。一方、日本ではそうした光景はほとんどない。やり方が分からないから大体は「投資」ではなく「貯蓄」に回っていたが、これを変えられるかどうか。

先日、「投資で大事なのは『複利』の考え方だ」と、番組ゲストの早稲田大学ビジネススクールの入山章栄教授が教えてくれた。(ファンドマネジャーのように専門知識がなくても)月日がお金を加速度的に増やしてくれる可能性があるのだから、できるだけ若いうちに始めた方がいいと力を込めた。

私も20代から積み立てをしていたら、少しは余裕のある生活になっていたのか。もはや働く時間はそうそう残っていない。「リスクを取って増やすよりも減らさないようにしないと……」なんてぶつぶつ言っていたら、「あっこさん、人生100年時代。今から始めても遅くはないですよ」と入山教授。確かに、「長生きリスク」がささやかれる時代である。今では様々な商品が開発されているし、まずは貯蓄性商品で放置している確定拠出年金の内容を見直してみようか。

22年、欧米の金融緩和が終わる局面では、マーケットも荒くなるだろう。投資のヒントや経済の先行きを、番組でもしっかり伝えていきたいと思う。

最近のMy news「オンライン化で苦戦、引っ越し手続き」

引っ越しに伴う住所変更などの手続きに追われている。オンラインでできるとは言え、1カ所つまずくともはや先に進めない。サポートセンターに電話しても、「混んでいるので後で掛け直して」とのこと。アナログからデジタルへ。移行期は何事も逆に複雑になる。早く生体認証で一発変更、にならないものか……。

「佐々木明子のニュースな日々」は、国内外の経済やマーケットの動きを伝えるテレビ東京「WBS(ワールドビジネスサテライト)」のメインキャスターを務める佐々木明子さんが、金融・経済の最前線の動きや番組制作の裏話などをつづるコラムです。

日経マネー 2022年2月号 2022年の稼ぎ方&上がる株
著者 : 日経マネー
出版 : 日経BP (2021/12/21)
価格 : 750円(税込み)
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