丸井が一時6%高 コロナ後の業績改善に期待
話題の株
12日の東京株式市場で丸井グループ株が一時143円(6%)高の2377円まで上昇し、年初来高値を更新した。11日の取引終了後に発表した2021年4~9月期の連結決算はクレジットカードなどのフィンテック事業が好調で増収増益だった。新型コロナウイルス禍収束後の小売事業の業績改善にも期待感が高まり、買いが集まった。

21年4~9月期の純利益は前年同期比37%増の122億円だった。同社は小売事業とフィンテック事業の2つを柱とする。コロナ禍で小売業の苦戦が続くなかで、店舗の不動産賃貸収入やカード手数料など「リカーリングレベニュー(継続的収入)」が順調に拡大している。
社会的課題を解決するという観点から新規事業への投資も進める。JPモルガン証券の村田大郎氏は「ESG(環境・社会・企業統治)への取り組みなどに対する評価もさらに高まる可能性がある」と指摘する。
自社株の消却を発表したことも株価には追い風になったようだ。PER(株価収益率)は29倍台で割安感は乏しいとの見方が多い。ただコロナ禍が収束すれば小売業も本格回復し「来期以降の業績改善で株価はさらに上振れる可能性がある」(しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹氏)という声も聞かれた。

関連企業・業界
企業: