3月の投信運用、ブラジル関連が堅調
国内公募の追加型株式投資信託(上場投資信託=ETF、ラップ・SMA・DC専用、ブルベア型などを除く)を対象に、3月の運用成績(分配金再投資ベース)をランキングしたところ、上位はブラジル関連、下位にはロシア関連が目立った。
3月のリターン首位は、日興アセットマネジメントが運用する「資源株ファンド 通貨選択シリーズ<ブラジルレアル・コース>(毎月分配型)」で26.7%のプラス。世界の資源株高に加え、ブラジルの通貨レアルの上昇が寄与した。上位10本のうち5本がブラジルレアルの通貨選択型、2本がブラジルの高配当株に投資するタイプだった。

上位の4番目には、2月末から設定・解約を停止しているドイチェ・アセット・マネジメントの「DWS ロシア・ルーブル債券投信(年2回決算型)」が入った。ロシアによるウクライナ侵攻でロシア国債などの取引が困難になり、為替変動だけを基準価格に反映する臨時措置を取っている。3月の値上がりはロシアの通貨ルーブルの対円での上昇が要因で、ロシア国債などの実勢価格は反映されていない。
下位は10本すべてロシア関連のファンドが並んだ。大半が設定・解約を停止している。下位の3本は月間の下落率が8割を超えた。このうち下から3番目の「HSBC ロシア オープン」は組み入れているロシア株式の評価額をゼロにするなど、通常とは異なる方法で基準価格を算出しているファンドもある。
(QUICK資産運用研究所 西田玲子)