企業物価指数9.1%上昇 10月、電力・ガスで価格転嫁
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日銀が11日発表した10月の企業物価指数(速報値、2020年平均=100)は117.5と7カ月連続で過去最高を更新した。前年同月比9.1%上昇し、20カ月連続で前年の水準を上回った。ロシアのウクライナ侵攻で資源価格の高止まりが続き、電力やガスを中心に価格転嫁の動きが広がっている。
企業物価指数は企業間で取引するモノの価格動向を示している。10月の上昇率は民間予測の中心値である8.8%を0.3ポイント上回った。同日改定された9月の上昇率は10.2%上昇と1980年12月以来の高水準になった。
品目別では、電力・都市ガス・水道(43.2%)、鉱産物(27.5%)、鉄鋼(22.4%)などの上昇が顕著だ。鉄鋼では自動車向けの鋼材が値上がりした。原材料やエネルギー価格の上昇が続いている。半期に一度の価格改定のタイミングが重なったことも全体の押し上げにつながった。
円安による価格上昇圧力も継続している。10月の外国為替市場では一時1ドル=151円90銭台と32年ぶりの安値を記録した。輸入物価の上昇率は、ドルなどの契約通貨ベースでは16.6%だが、円ベースでは42.6%となった。輸入物価に占める為替要因は61%と、高水準で推移している。
公表している515品目のうち、上昇したのは434品目、下落したのは65品目だった。
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