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目標「月1万円」 固定費削減、今年こそ本気で

2022年版 家計管理術(3)

今月は物価上昇元年の家計管理術を考えています。スマートフォンの家計簿アプリの活用をお勧めしてきましたが、アプリで「家計の見える化」が実現してきたところで、次にすべきことは固定費の削減です。

家計簿は過去を反省ではなく未来を改善するツール

家計簿は「過去の反省」ではなく「未来の改善」に主眼をおくようにしてください。これはとても重要なことです。

一般的には家計簿は過去の自分を責めるツールと考えられています。無駄遣いが見える化されることで過去の自分の過ちがあぶりだされてしまうからです。

しかし、過去を責めたところでお金は戻ってきません。真面目に反省したら5分ごとに10円くらいキャッシュバックされるのなら数時間ほど反省してもいいでしょう。しかし、1円も戻ってくることはありません。

反省よりも、未来の支出を削減し、節約が将来にわたって実現されていくことに重きをおきましょう。そう考えるほうが家計簿をつけるストレスもなくなり、また家計簿の意義も高まります。

さて、データが蓄積されてきたら、過去を振り返ってみます。反省ではなく分析のためです。

特に優先的にチェックしたいのは固定支出です。

これらについて「項目を洗い出し」「金額を検証」します。

固定費の特徴は自動引き落としが多いことです。一度自動化すると支払いミスはなくなるものの金額に無関心になってしまい、支払いの実感が持てなくなります。

家計簿の見える化で、これを白日の下にさらすのです。

利用ゼロは解約 割高は割安へ乗り換える

まず最初に考えるのは利用ゼロの支出を「解約」することです。

固定支出を停止することができれば、来月以降はその全額が浮いてきます。物価上昇の時代に支出の全額がストップするほど助かることはありません。利用実態がないものはすべて解約手続きをしましょう。

注目したいのは「会費」系の支出です。スポーツジム(もう3カ月も行っていない)とか、動画等の配信サービス(この2カ月で1分も利用していない)のようなものは利用停止手続きをします。

動画、音楽、雑誌や書籍などのサブスクリプションサービスは初月無料などに引かれてて申し込んではみたものの、しばらくすると利用実態がゼロということがしばしばです。それでも課金は自動継続されますから、まとめて解約をしておきましょう。

悩むくらいなら、とりあえず支出をやめるという判断をしましょう。「やっぱり課金してサービスを利用しよう」と思うならいつでも再開できるからです。

次に、「割安」サービスへの変更を、検証してみます。数年たつとサービスが進化し、同一のクオリティーを割安で使えることがあります。

割安への見直しを考えたいのは光熱費や通信費、生命保険料、車の維持費などです。

昨年各社が提供したスマホ料金の割安プランなどがまさにそうです。質は落とさず(20ギガの通信量で高速通信規格「5G」にも対応)、利用料金は半減する可能性があります。光熱費が前年比20%以上高まっている昨今は、電力自由化で契約先を再考してみてもいいでしょう。

車についてはあえてマイカーを手放し、カーシェアに切り替えると大幅割安になることがあります。カーシェアサービスの多くが「ガソリン代は利用料金に含む」としているのも、ガソリン代が高い今の時期にはありがたいところです。

更新のタイミングが合うなら、引っ越しをして家賃や駐車場代を大幅ダウンさせることも検討の余地があります。テレワークがメインになったり週数回の出勤で済んだりするなら、ちょっと郊外に引っ越しをするのはどうでしょうか。

省エネの取り組み効果も大きい

固定費でもう一つ考えたいのは省エネへのチャレンジです。

特に今年は電気代・ガス代が高くなっているため、使用量を減らして支出抑制を考える必要性が高まっています。

まずは無駄な消費量を減らす節電を心がけます。冷暖房や浴室乾燥機などもダラダラつけるよりは必要な時間のみ利用するようにします(エアコンなどは頻繁にオン・オフをすると余計に電力代がかかる場合もあるので注意)。

エアコンや浴室乾燥機などのフィルター掃除をすると、それだけで冷暖房や乾燥の効率が高まることがあり、機械の故障リスクも減らします。地味な取り組みが思わぬ省エネになるかもしれません。

10年物の白物家電については、故障するのを待たずに買い替えてみるのもありです。一見すると高額支出のようですが、新しく発売された省エネ家電への買い替えは、半額近い節電になることがあるからです。

経済産業省(資源エネルギー庁)の省エネポータルサイトによれば

・10年前の冷蔵庫と比較すると40~47%省エネ
・電球型LEDランプは86%の省エネ
・9年前のテレビと比較すると42%の省エネ
・10年前のエアコンと比べると17%の省エネ

といったデータが紹介されています。特に冷蔵庫とテレビについては省エネと節約に役立ちそうです。同サイトによれば家庭のエネルギー消費量の33.9%を動力・照明(冷蔵庫・テレビなど)が占めているそうですから、単純計算では電気代を1割以上削減できる可能性があります。

さらに、地方自治体の政策などで補助金が受けられることもあります。例えば東京都の「東京ゼロエミポイント」の対象となる冷蔵庫、エアコン、ガス給湯器などを交換した場合、商品券等がもらえます。サイトをチェックし、もらえるものはゲットしておきましょう。

固定費で月1万円のダウンを目指してみよう

固定費の見直しは、本気で取り組めば月1万円以上の削減ができることがしばしばです。未利用のサービス解約、割安サービスへの変更で月1.5万円の支出削減が実現すれば、月30万円の生活費だった家庭では5%の物価上昇をカバーする力になりえます。

本当なら「節約をして確保した余剰資金を、個人型確定拠出年金(iDeCo)で積み立てるなどしてあなたの老後資金に振り替えましょう」と提案したいところですが、こと2022年に関しては赤字家計を回避することが最優先です。

固定費削減は日常生活費を削るよりも負担感が低く、節約につながります。家計簿などのツールを活用し、しっかり固定費を見直してみてください。

◇  ◇  ◇

FP山崎のLife is MONEY」は毎週月曜日に掲載します。

山崎俊輔(やまさき・しゅんすけ)
フィナンシャル・ウィズダム代表。AFP、消費生活アドバイザー。1972年生まれ。中央大学法学部卒。企業年金研究所、FP総研を経て独立。退職金・企業年金制度と投資教育が専門。著書に「読んだら必ず『もっと早く教えてくれよ』と叫ぶお金の増やし方」(日経BP)、「日本版FIRE超入門」(ディスカバー21)など。http://financialwisdom.jp

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