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積み立て投資、リスクの取り過ぎは逆効果?

投信観測所

投資信託を定時定額でコツコツ積み立て投資するなら、それなりにリスク(価格変動の振れ幅)を取る方が投資効率が良くなることがある。値動きが激しい方が値下がりしたときに口数を多く、値上がりしたときには少なく買うことができ、長期的に見て価格が上昇していれば資産を増やしやすいからだ。ただ、高リスクの投信では例外もあるので気を付けたい。

リスクが高めの投信が有利

リスクが高めの投信を選んだ方が有利なケースについて、10年の積み立て投資の具体例でみてみよう。比較したのは、複数の資産に分散投資するバランス型の「のむラップ・ファンド」の普通型積極型の2本。普通型は国内外の株式と世界の不動産投資信託(REIT)といったリスク資産への投資比率を原則75%以内に収める一方、積極型は特に上限を設けていない。

QUICKファンド・リスク(QFR)と呼ぶリスク階級でレベル分けすると、普通型は「2」で、積極型は「3」。QFRはリスクが小さい順に「1」「2」「3」「4」「5」「5*」の6段階に区分され、東証株価指数(TOPIX)の価格変動リスクを「3」としているので、普通型の値動きはTOPIXより小さく、積極型はTOPIX並みといえる。

両ファンドを10年前から合計元本が100万円になるよう定時定額積み立て投資をした試算が図Aだ。2011年10月から21年9月まで毎月末に8333円ずつ購入した成果を、21年10月末時点で評価した。普通型の評価額は149万円、積極型は171万円となり、リスクが大きい積極型の方が約22万円多いという結果になった。

「コツコツ」が報われないケースも

図Bでは株式型とバランス型の投信を対象に、期間3年、5年、10年、20年の積み立てリターン(年率)の平均をQFRの階級ごとにまとめた。各期間ともリスクが高い投信ほどリターンも高い傾向にあり、高いリターンを得るには相応のリスクが求められるという資産運用の原則が積み立て投資にも当てはまることがわかる。

ただ、期間5年と10年はQFR「4」の投信のリターンが最大で、QFR「5以上」のリターンは「4」だけでなく「3」をも下回った。期間20年もQFRの「4」と「5以上」が同じくらいだった。QFR「5以上」の投信には、新興国の株式に投資するタイプや通貨選択型が多く含まれる。過去の金融ショックからの回復が鈍かったり、乱高下を繰り返しながら値下がりを続けたりしている投信は、いくらリスクを取ってコツコツ買い続けても成果は上がりにくい。

リスクの取り過ぎ、一部はマイナスに

リスクの取り過ぎが裏目に出たケースについて、個別ファンドでみてみよう。QFRが「4」の「netWIN GSテクノロジー株式ファンド Bコース(為替ヘッジなし)」と、「5*」の「HSBC ブラジル オープン」を比べたのが図Cだ。10年の積み立て投資(元本100万円)で前者の評価額が352万円になったのに対し、後者は74万円に目減りした。

最後に、10年の積み立て投資のリターンについて、リスク階級別に上位・下位3本ずつを図Dにリストアップした。対象にしたのは株式型とバランス型のうち、QFRが「3」以上の投信。各リスク階級の上位グループ同士を比べると、リスク階級が高いほど積み立てリターンが高くなっている。一方、下位で積み立てリターンがマイナスだったのはQFR「5以上」の3本のみ。最下位から2本はブラジルの株式を投資対象とし、6段階のQFRで最高リスクの「5*」に区分されるほど値動きが極端に大きいファンドだった。

(QUICK資産運用研究所 西田玲子)

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