Jフロント、昨年来高値 コロナからの消費回復に期待
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8日の東京株式市場でJ・フロントリテイリング株が続伸し、一時前日比61円(5%)高の1358円と昨年来高値を連日で更新した。新型コロナウイルス禍からの経済正常化、インバウンド(訪日外国人)消費を期待した買いが続いた。この日は証券会社の目標株価引き上げをきっかけに騰勢に弾みがつき、PBR(株価純資産倍率)は0.99倍まで回復した。

SMBC日興証券は7日付でJフロントの目標株価を従来の1400円から1500円に引き上げた。投資評価は3段階で最上位の「1」を継続した。金森都氏は東京や大阪の主力店における国内客売上高はまだコロナ前以下と指摘、「オフィス立地に人流が戻れば改善余地がある」と話す。
15日には日本政府観光局(JNTO)が2月の訪日外国人客数を発表する。3月以降、中国からの渡航者の水際規制緩和で客足の回復が見込まれるなか、代表的なインバウンド関連株の百貨店には先回り買いが旺盛だ。足元の円安もインバウンド消費の追い風となる。
しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹氏は、収益環境の改善を踏まえれば「株価に割高感はまだない」と指摘する。ただ、市場ではマスク着用の緩和や旅行客の増加が新型コロナの再流行につながるとの警戒もくすぶっている。

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