/

中国医療スタートアップ、米国上場を棚上げ

中国政府の海外上場規制強化後初

(更新)

【上海=土居倫之、香港=ナラヤナン・ソマスンダラム】中国の医療スタートアップ、リンクドック・テクノロジーが米国市場への新規株式公開(IPO)を棚上げしたことが8日明らかになった。中国政府が6日に自国企業の海外上場規制強化を発表してから、見合わせの動きが出るのは初めて。英フィナンシャル・タイムズ(FT)によると、別の中国企業の上場取りやめも報じられており、同様の動きが続く可能性がある。

一方、中国人民銀行(中央銀行)は8日、決済サービス会社への監督強化を表明した。中国政府が自国の民間企業への統制を強める姿勢が鮮明になっている。

リンクドック・テクノロジーの上場棚上げは、この取引に詳しい2人が明らかにした。関係者によると「市場の動揺や規制の不確実性、中国当局の怒りを買う可能性を考慮して、同社は上場を中止した」という。

リンクドックは2014年創業の医療スタートアップで北京に本社を置く。アリババ集団の医療関連企業、阿里健康信息技術(アリババ・ヘルス)などが出資している。人工知能(AI)を活用した病歴管理システムの開発などを行っている。

リンクドックが米証券取引委員会(SEC)に提出した資料によると、330以上の病院と協力し、250万人以上の患者の病状データを長期に追跡調査しているという。

同社は米モルガン・スタンレーなどを主幹事とし、ナスダック市場への上場を予定していた。1株あたり17.50~19.50ドルの価格で最大2億1000万ドル(約230億円)の資本調達を予定していた。

英フィナンシャル・タイムズ(FT)は8日、中国フィットネスアプリ運営の「Keep(キープ)」も米上場を取りやめたと報じた。同社は運動アプリを通じてインストラクターの動画レッスンなどを提供している。同社はソフトバンクグループやテンセントから3億6000万㌦(約370億円)を調達していた。

中国政府がデータ流出の懸念などを理由に海外上場規制の強化を発表してから、米国に上場する中国企業株は不安定な値動きが目立っており、投資家や証券会社などが慎重な姿勢を示したとみられる。

中国当局は20年11月、アリババ集団傘下の金融会社アント・グループの大型上場を延期に追い込んだ。21年4月にはアリババの独占禁止法違反を認定し、過去最大となる182億元(約3000億円)の制裁金を科した。

21年6月に米国に上場したばかりの配車アプリ最大手、滴滴出行(ディディ)など3社は国家安全上の理由で審査を受けている。

中国人民銀行の範一飛副総裁は8日の記者会見で、アント・グループについて言及した。「独占状態はアントだけに存在しているわけではなく、ほかの企業にも同じような状況がある。アントに対して行った措置は、ほかの決済サービス会社にも適用する」と述べた。

アント以外の企業も厳しい姿勢で監督していく方針を示したもので、騰訊控股(テンセント)の「微信支付(ウィーチャットペイ)」などが念頭にあるとみられる。

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

関連トピック

トピックをフォローすると、新着情報のチェックやまとめ読みがしやすくなります。

関連企業・業界

セレクション

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン