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日銀副総裁、LIBOR移行遅れで「金融市場に重大な影響」

日銀の雨宮正佳副総裁は8日、2021年末に公表停止となる円建てのロンドン銀行間取引金利(LIBOR)について、金融機関の移行作業が遅れた場合に「金融システムや金融市場に重大な影響が生じ、健全な経済活動を阻害しかねない」と警鐘を鳴らした。「公表停止の時期は確定した」と期限の延長を否定した上で、残り7カ月間での着実かつ迅速な対応を求めた。

雨宮氏は同日のNIKKEI Financial主催のオンラインセミナーで講演し、その後質疑に応じた。

LIBORは銀行融資や社債などの金融商品の取引で利用する国際的な金利指標。12年の不正操作問題の発覚をきっかけに算出の停止が決まり、円やドルなどの主要通貨を抱える各国は後継指標への円滑な移行が課題となっている。日本では6月末をめどにLIBORを使った新規取引をやめ、9月末には既存の取引残高についても大幅に削減するよう求められている。

後継指標の選択肢は①東京ターム物リスク・フリー・レート(TORF)②東京銀行間取引金利(TIBOR)③無担保コール翌日物金利を使った後決め複利――の3つだ。これまで市場参加者は後継指標が十分に整備されていないとの理由で移行を遅らせる動きもあったが、4月からはTORFの確定値の公表が始まった。

雨宮氏は「この点はもはや阻害要因ではなくなった」として、後継指標に基づく新規取引が「しっかりと実現されることを強く期待したい」と訴えた。

日銀と金融庁の調査によると、円建てLIBORの公表停止となる21年末を超えて満期を迎える契約は20年末時点で計2000兆円に達する。仮に社債などの取引で後継指標を決めないまま期限を迎えると、「(金利の支払いが滞る)テクニカルデフォルトということも発生しうる」と雨宮氏は指摘。個々の取引にとどまらず、「マーケット全体も大きな混乱に陥る」と警戒感を示した。

「(企業などの)発行体と投資家が果たすべき役割を認識して対応を進めていくことが極めて重要だ」と語った。円建てから1年半後の23年6月末に算出を停止するドル建てのLIBORについても、移行期限の先送りではなく「公表停止時期が確定したと捉えるべきだ」と述べた。

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