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PCR検査・解熱剤… 家計のコロナ負担を軽減する道は?

知っ得・お金のトリセツ(75)

think!多様な観点からニュースを考える

「もうアンインストールしても同じかも」。あまりの生体反応のなさに、存在さえ忘れかけていた厚生労働省謹製「新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOA)」が先日、突如目覚めた。「陽性者との接触確認1件」――。

一通の「不幸のお知らせ」が…

2020年9月の第2波の頃にダウンロードして以来520余日。すっかりどんな仕組みか忘れていたが、要は1週間前にスマホ同士が1メートル以内で15分以上接近した人が、その後の陽性判定を受けて情報を登録をしたということらしい。「だからあなたも気をつけて」ということらしいが、スマホの近接通信機能(ブルートゥース)が検知したという以上の情報は与えられない。あそこか、ここか……目まぐるしく行動を振り返るが今できることは何もない。熱を測る、平熱。でもちょっと高値圏? 変異型「オミクロン型」に多い症状という喉の痛みを確認すべく、唾を何度も飲み込んでいたら実際に喉が痛くなってきた。

1個1万6500円の検査キットを「大人買い」

「念のため。あくまで念のため」とつぶやきPCR検査に進むことを決めたが、既に数日前から自治体の無料検査は希望者が殺到して数時間待ちとの報道。自腹を切る覚悟で、電話で「若干の在庫あり」情報を確認した上、ドラッグストアに走る。既にこの時点で頭に血が上っている。「下さいっ」。だが、この後、一気に現実に引き戻される。

「はい、4万9500円になります」――。そりゃそうだ。1個1万6500円の検査キットを、既に濃厚接触者かもしれない家族分もと思い、3個も買えばその値段になる。どれだけ大人買いなんだ。その後、すっかり早めの熱に浮かされたような気分で自宅療養となった事態を想定して店内を巡った。解熱剤、総合感冒薬、熱冷却シート、喉スプレー、うがい薬、のどあめ、マスクももっといるな……。

頼みの医療費控除は…?

頼みの綱と念頭にあったのが税金の医療費控除だ。1年間に支払った医療費が家族合算で10万円(総所得200万円未満の人は所得の5%)を超えると、超過分にかかる所得税と住民税を負けてくれる有り難い制度。仮に年収600万円で所得税率20%の人が30万円医療費を支払うと所得税還付の形で4万円、住民税10%が翌年から安くなる形で2万円、計6万円お得になる仕組みだ。サラリーマンでも確定申告をすることで適用される。

その出費が控除対象になるかどうか、判断の線引きは「治療に必要かどうか」。医師による処方箋薬でなくドラッグストアで買えるものでも、医薬品であり「治療のため」というカテゴリーに入れば医療費控除の対象になる。つまり購入したものでいえば、うがい薬、のどあめ、マスク以外は対象だった。商品にもよるが対象商品にはレシートにマークがついてくるのでわかりやすい。

さて、問題の高額のPCR検査キット。これは人間ドックの費用が医療費控除の対象になるかならないか、と同様の考え方で理解するらしい。治療ではないので基本的に医療費控除の対象外。しかし検査で病気が見つかり、その後治療が必要になれば人間ドックの費用も含めて医療費控除の対象とすることができる。つまり郵送で返送後、受け取る検査結果メールが「陽性」とあるか「陰性」とあるか次第――。仮に陽性なら今の医療の混乱の中で、実際には治療を受けることなく自宅療養で終わっても検査キットの金銭的負担は若干、軽減されるわけだ。しかし、そもそも指定感染症のコロナの場合、治療費の自己負担はなくキャパの問題さえなければ公費でPCR検査が受けられるわけだが……。

うれしさ半分、悔しさ半分、翌日もらったメールは陰性だった。

山本由里(やまもと・ゆり)
1993年日本経済新聞社入社。証券部、テレビ東京、日経ヴェリタスなど「お金周り」の担当が長い。2020年1月からマネー・エディター。「1円単位の節約から1兆円単位のマーケットまで」をキャッチフレーズに幅広くカバーする。

※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。

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