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日銀、14日に金利抑制策発動 国債を0.25%で購入

(更新)

日銀は10日、臨時の国債買い入れを14日に実施すると発表した。指定した利回りで無制限に国債を買い取る「指し値オペ」と呼ばれる金利抑制策を発動する。新発10年物国債を対象に、0.25%の利回りで原則として応札分をすべて買い取ると通知した。指し値オペの発動は2018年7月以来。異例の事前通告で緩和縮小観測を強くけん制した。

欧米の金利上昇を受けて日本の長期金利も上昇し、10日の国内債券市場で長期金利の指標となる10年物国債利回りは一時0.23%をつけた。日銀が許容する「プラスマイナス0.25%」の上限に近づいたことから金利上昇の抑制に動く。

日銀金融市場局は10日、「このところの長期金利の動きを踏まえ10年物国債金利の操作目標を0%程度とする金融市場調節方針をしっかり実現するよう実施したものである」とコメントした。

指し値オペは指定した利回り(債券価格)で日銀が民間金融機関から国債を原則無制限に買い入れる制度だ。通常の国債買い入れオペは、買い入れ対象の国債を示した上で金融機関などに希望する売却価格を提示してもらい、提示額が安い順に国債を買い入れる。21年に実施した通常の国債買い入れオペの1回あたりの購入額は償還までの残存期間が5~10年で4500億円程度だった。

これに対し、指し値オペは日銀があらかじめ購入価格を決めることで、市場に出回る国債の価格が日銀の購入価格を下回ることを防ぐのが狙いだ。直近の発動は18年7月の3回で、同30日には、「0.1%」の指し値で約1兆6000億円の10年物国債を買い入れた。これにより0.11%で推移していた長期金利は0.095%まで急低下した。

日銀は2016年から長期金利を0%程度、短期金利をマイナス0.1%に誘導する長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)を金融緩和の柱としてきた。銀行など投資家の需要の強弱にあわせて国債の購入量を調整し、長期金利が0%程度になるように誘導してきた。

ただし、ぴったり0%に誘導し続けると金融機関の収益悪化という副作用が強まる。このため、ある程度の変動幅、具体的には0%から「プラスマイナス0.25%程度」の範囲内での変動を許容してきた。

この変動幅は当初の「プラスマイナス0.1%程度」から「その倍程度(プラスマイナス0.2%程度)」、そして21年3月に現在の0.25%程度と徐々に拡大してきた。この範囲に収まっている限りは無理に国債を買う必要がないため、21年末の日銀の国債保有残高は13年ぶりに減少に転じた。

状況が一変したのは欧米の金融政策の転換だ。インフレ加速に伴い米連邦準備理事会(FRB)は年内に3回以上、利上げする見込みで、市場では日銀もいずれ金融緩和の正常化に向かうのではとの思惑が浮上。日本の長期金利も10日に一時、0.23%と日銀がマイナス金利政策を導入した16年1月以来、6年ぶりの水準まで上昇した。

長期金利が日銀の防衛線である0.25%を上回るのを放置すれば金融緩和の効果は薄れる。このため0.25%を超えて長期金利が上昇しないようにする防護壁の役割を果たすのが「指し値オペ」だ。イールドカーブ・コントロールとともに導入され、これまでに7回実施。いずれも金利上昇の抑制に効果を発揮してきた。

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