ソフトバンクG最終赤字7800億円 10〜12月、投資低調
(更新)

ソフトバンクグループ(SBG)が7日発表した2022年10〜12月期連結決算(国際会計基準)は、最終損益が7834億円の赤字(前年同期は290億円の黒字)だった。最終赤字は2四半期ぶり。人工知能(AI)関連の新興企業に投資するビジョン・ファンドの苦戦が続いた。投資をほぼ停止する一方、保有株売却などで資金を捻出し、負債返済や自社株買いを優先している。
ビジョン・ファンド事業の10〜12月期の税引き前損益は6600億円の赤字だった。投資先のうち、韓国の電子商取引(EC)大手クーパンや、米シェアオフィス大手ウィーワークなどの上場済みの銘柄の株価下落が響いた。未上場の投資先でも評価損を計上した。
SBGが最重要指標とする、保有資産価値から純有利子負債を差し引いたNAV(時価純資産)は22年12月末で約13兆9000億円と、9月末の約16兆7000億円から減った。保有資産の中核を占めていた中国のEC大手アリババ集団株の一部を資金化するなど、財務改善を進めている。
世界的な金利上昇がハイテク株の大幅な下落につながっており、世界のマネーを集めてAIの有望株に広く出資する「群戦略」が揺らいでいる。

7日夕方に東京都内で決算説明会を開き、孫正義会長兼社長は出席しなかった。後藤芳光・最高財務責任者(CFO)は「AI革命への確信は変わらないが、現段階では守りを固める」とした。
※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。
この投稿は現在非表示に設定されています
(更新)