KHネオケム、年初来高値 経済再開で化学品伸びる
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5日の東京株式市場で化学メーカーのKHネオケム株が一時前日比490円(16%)高の3540円まで上昇し、年初来高値をつけた。新型コロナウイルス禍からの経済再開に伴い化学品の需要が伸び、4日に2021年12月期の業績予想を上方修正した。好業績を好感した買いが入っている。終値は6%高の3220円だった。

21年12月期の連結純利益は前期比3.2倍の130億円を見込む。従来予想は110億円だった。自動車の生産回復などを受けて溶剤などの基礎化学品の需要が堅調に推移。需給バランスがタイト化し市況も改善した。高付加価値品の販売も好調で利益率も高まっている。原料価格や物流費が上昇しているが、販売価格に転嫁し利益を確保する。
世界的な環境意識の高まりも追い風となっている。環境配慮型のエアコンに使う潤滑油の原料は付加価値が高く利益率の向上に貢献。丸三証券の大野剛氏は「中国などの新興国や米国などで需要の増加が見込まれる」と話す。
同時に配当予想も上方修正し、年間配当は75円(前期実績は60円)の見通し。市場では一段の業績拡大を見込む声が出ており、みずほ証券の吉田篤氏は4日のリポートで「修正後の通期会社計画を保守的と受け止めている」と指摘した。
