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需要不足、解消鈍く 4~6月日銀試算

日本経済の需要不足の解消が足踏みしている。日銀が5日発表した2021年4~6月期の需給ギャップは、マイナス幅が1~3月期に比べ小幅に広がった。新型コロナウイルスの影響で個人消費の回復が鈍い。年末にかけて需要不足は解消に向かうとの見方が多いものの、人手不足など供給制約もあり、景気回復に不透明感が残る。

需給ギャップは労働や設備などの供給力と需要の差を比べたもの。マイナスなら需要が供給を下回る状況を指す。

日銀の試算ではコロナが直撃した20年4~6月にマイナス4.95%と、11年ぶりのマイナス幅となった。21年1~3月期にマイナス1.17%まで上昇したが、4~6月期はマイナス1.29%へ低下した。

4~6月はコロナワクチンの接種が欧米より遅れ、個人消費の持ち直しの鈍さが懸念された時期だ。7~9月もデルタ型の感染拡大により東京などで緊急事態宣言が発令された。第一生命経済研究所の熊野英生首席エコノミストは「7~9月期も需給ギャップは横ばい圏だろう」とみる。

業種によっては供給面の制約もある。

日銀が1日発表した9月調査の全国企業短期経済観測調査(短観)によると、人手不足を訴える企業が増えた。海外景気の回復の恩恵を受けやすい製造業で不足感が強まり、建設や小売りも人手を確保しづらい状況が続く。コロナ禍の前から構造的な人手不足は続いており、需要が戻ると表面化しやすい。

10月には緊急事態宣言が解除され、外食などの営業上の制約は徐々に緩和され始めた。新型コロナの感染状況の改善が続けば、10~12月期にも需要不足は解消するとの見方はある。

もっとも、供給制約の影響が強い中での需給ギャップのプラス転換はひずみももたらす。必要なモノやサービスが十分に提供されず、経済の回復に持続力を欠く恐れがあるためだ。米国などでは原材料の調達難や物流の停滞も相まって、インフレ圧力が強まった。

JPモルガン証券の鵜飼博史チーフエコノミストは「世界的に供給制約によるインフレで個人消費にも悪影響が及んでいる」と指摘する。鵜飼氏は日本の10~12月期の成長率は年率8.5%と高い伸びを見込むが、9月までの消費抑制の反動の面が多く、22年には急回復は一服するとみている。

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