/

マイナポイント、未手続き2700万人は21年中に5000円を

知っ得・お金のトリセツ(61)

「たかが5000円、されど5000円」――。マイナポイントの話をするときは昔話の教訓のようにこのフレーズを繰り返すことにしている。あるいは「5000円を笑う者は5000円に泣く」。もしくは小数点第3位の利率に沈むメガバンクの普通預金の利息収入を引き合いに出す。「年5000円なんて5億円も預けないともらえないんだから」

4月末までに申し込み済みなら権利あり

マイナポイント制度は、マイナンバーカードとキャッシュレス決済の同時普及を狙った国の施策だ。プラスチック製のマイナカードを作成した上で、任意のキャッシュレス決済サービスとひも付けることで最大5000円分のポイントがキャッシュバックされる。この5000円という金額設定がおトク心をわしづかみ……というには力不足の微妙な額、という声は多い。

そのためかどうかは不明だが「もらえるのにもらっていない」人の数が約2700万人にも上っている。まず、もらう権利があるのは今年の4月末までにマイナカードの申請をした人だ。その数約4931万人。一方でキャッシュレスサービスとのひも付けを完了した人は9月2日時点で約2265万人なので、差し引きの2666万人が5000円分の権利を持ちながら次のステップに進んでいないわけだ。

12月末までのチャージ・買い物が対象

どんな人たちか? 中にはまだカードが手元になく、次のステップに進みたくても進めない人もいるだろう。4月末までのカード申請後、通常なら2カ月もあれば自治体の窓口で受け取りが完了するはずだが、カードの駆け込み発行申請急増に加えて新型コロナウイルス禍対応で自治体の窓口業務は滞りがち。仕事が休みの週末などを希望すると、なかなかスケジュールが合わずに受け取れていない人もいそうだ。

このため当初9月末までだった事業期間は12月末まで延長された。今後4カ月弱の間にマイナポイントの予約→申し込みと進み、自分が使いたいキャッシュレスサービスを選んで、チャージか買い物をしよう。それで最大5000円分のポイントが得られる。その後のポイント消化の有効期限は各サービスごとに異なる。

手続きは「完了」させないと意味がない

次に駆け込み申請ではなく、カード自体は前から持っているがマイナポイントの手続きはせずに、そのままになっている人もいるだろう。この数が最も多いと思われる。カード入手イコール5000円でないので要注意だ。

さあ、カードを手にパソコンやスマートフォンで手続きを完了させよう。作業は順調に進めば5分もあればできる。筆者は当初はスマホでのカード読み取りに苦戦することが多かったが、最近は慣れか動作環境の改善か、確実に読み取れるようになった。公式サイト(https://mynumbercard.point.soumu.go.jp/flow/mykey-get/?tab=first&stab=iphone#howto)も充実しており、懇切丁寧に解説してくれる。

まずは予約。「マイキーID」を取得することを意味する。マイキーIDはマイナポイントに限らず、マイナカードを用いて様々なサービスを使う場合に必要なウェブ上で作成する自分の番号だ。重要だが一度取得すれば、特に覚えなくても今後は自動的にプロセスが進む。行政的にはこのIDを開通させることが重要ポイントなわけだ。今後ワクチン接種履歴などに関連しマイナカードの利用拡大も予想される。マイキーIDを使うかは分からないが、5000円に興味がない人もここまではやっておこう。

予約済み数は約2345万人。前述した申し込み数(=ひも付け完了数)との差、およそ80万人がここで作業が止まっている段階だ。この後は申し込みのプロセス、すなわちキャッシュレスサービスとのひも付けを完了させる必要がある。マイナポイントは国がそういうポイントを付与するわけでなく、あくまで既存の決済サービスのポイントを通じた還元だ。

すでに終了のサービスも クレジットカードは増加

申し込みプロセスは比較的簡単に手続きが済むサービスとやや使いづらい仕様のサービスに分かれている印象だ。また、期限自体は12月末まで延長されたが、パスモなど既に終了しているサービスもあるから要注意だ。

一方でマイナポイント事業スタート時には数が少なかったクレジットカードではJCBをはじめ、参加サービスが増えている。例えば高齢の親の場合、電子マネーやQRコード決済はおっくうでも「いつものクレジットカード」なら使える場合もあるだろう。子どもが自分のスマホを使って手続きを代行、親のクレジットカードにひも付けることはできる。

カギは「利用者証明用電子証明書」

スマホなどで読み取るのは、カードのICチップに格納されている2種類の電子証明書のうち「利用者証明用電子証明書」で、それに対応した暗証番号の入力は必須だ。かなり以前にマイナカードを入手した人の中には暗証番号が分からなくなっている人もいるだろう。闇雲に試して3回間違えるとロックがかかり自治体の窓口に行かないと解除できない。年末の期限が迫りいよいよ混雑する前に、早めに窓口に行って暗証番号の問題をクリアにしておきたい。

1割弱の確率だが、利用者証明用電子証明書そのものを搭載していないマイナカード保有者もいる。最近ではほぼ標準装備扱いだが、コロナ禍前に作成した特に高齢者の例が多そうだ。どうせ写真がついた券面の表側しか使う機会がないから……と電子証明書を「不要」としてカードを発行した人だ。

今後マイナカードを使う場面が増えることを考えると、この問題も早めに解決しておこう。9月1日にはデジタル庁が発足。マイナカードを軸にした行政デジタル化が急ピッチで進む。カードの交付率は足元で3人に1人を超えてきたが、国が掲げる2022年度末までに全員保有の目標は遠い。これから第2、第3のマイナポイント的施策が打たれることも予想される。

山本由里(やまもと・ゆり)
1993年日本経済新聞社入社。証券部、テレビ東京、日経ヴェリタスなど「お金周り」の担当が長い。2020年1月からマネー・エディター。「1円単位の節約から1兆円単位のマーケットまで」をキャッチフレーズに幅広くカバーする。

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

食べたものが体をつくり、使ったお金が人生をつくる――。人生100年時代にますます重要になる真剣なお金との対話。お金のことを考え続けてきたマネー・エディターが気づきの手掛かりをお届けします。

関連トピック

トピックをフォローすると、新着情報のチェックやまとめ読みがしやすくなります。

セレクション

トレンドウオッチ

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン