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DIYで楽しみつつ数万円を節約 労力とのバランスも大事

くらしとクルマのDIY節約生活(1)

毎日、耳に入るのは値上げのニュースばかり。食品の値上げは10月がピークというし、冬は電気代も大変なことになりそう。とはいえ収入を増やすのも大変なので、DIYでの節約を考えてみよう。最近はYouTubeにもプロやDIY好きがアップしたハウツー動画が多く、必要な道具や材料もホームセンターや通販で思ったより安くそろう。今回はプロの力を借り、暮らしとクルマのDIYをコストパフォーマンスの視点も併せて4回にわたって解説する。

プロに頼んでいた家の修繕やリフォーム。休日を使ってDIYでできれば節約になる。気分転換にもなるし、新しい趣味が増えると感じる人もいるだろう。これまでDIYは詳しい人が身近にいなければトライするのは難しかったが、今では初心者がだいぶ自力で取り組めるようになった。今回の暮らし編では、温水洗浄便座の交換や物置の設置、壁紙の貼り替えなど、家の中の身近なDIYを取り上げた。

①温水洗浄便座の交換 難易度は低いがサイズに注意

温水洗浄便座の取り付けはプロに依頼すると1万~1万5000円前後が一般的。カインズでは9000円だ。それなりの金額の節約になり、「所要時間も30分~2時間程度。作業も決して難しくない」(カインズ朝霞店・DIY資材担当の伊藤靖さん)とあって、DIYにチャレンジする人も多い。

事前の確認項目が多い

DIYには事前の確認点が多い。まずはコンセントの有無。トイレ内にない場合は配線工事が必要。2つ目は便器のサイズ。温水洗浄便座には便器の大きさによって様々なサイズがある。「古い温水洗浄便座を同じメーカーの製品に交換する場合は、問題なく取り付けられることが多い。購入時に製品の型番を伝え、配管部分を写真に撮って担当者に見てもらうといい」(カインズ朝霞店リフォーム担当・木村保江さん)

もう一つ注意したいのは工具。「便座の裏側を固定するのにディープソケット(便座締め付け工具)が必要。付属していない場合は買う必要がある」(伊藤さん)。こちらは約2000円。

ただし古い物件は給水管が劣化していることも。「水回りを壊すと大きなトラブルになる。二十数年以上たっている場合は、プロに任せた方がいい」(木村さん)

事前に確認すべき項目は多いが、それさえクリアすれば、ハードルは高くない。コストパフォーマンスも悪くない。

②物置の設置 ポイントは転倒防止工事

物置を設置する場合、DIYとプロに頼んだ場合の損得はどうだろう。DIYで設置しやすいのは、間口1~1.5m×奥行き60cm×高さ1.5m程度のサイズまでの薄型タイプ。組み立てて置けば設置が終わりのように思いがちだが、アンカー(転倒防止)工事が不可欠だ。「アンカー工事をしていない物置は台風や風の影響で倒れる確率が高い。子供が乗って思わぬ事故が起こることもある」(カインズ朝霞店エクステリア担当・小林恵美子さん)

転倒防止と併せて重要なのが、水平になっているかを確認すること。傾いたままだと扉の立て付けが悪くなる。コンクリートで地面が舗装されている場合も、水が溜まらないよう水勾配を設け、わずかに傾いていることが多い。

アンカー工事は土台によって固定の仕方が違う。比較的簡単なのはコンクリートに設置するケース。ドリルで穴を開けて、打ち込み式の芯棒でアンカープレートを固定する。所要時間は1時間程度だ。

土の場合は約20cm四方、深さ30cmほどの穴を4カ所掘り、セメントと水、砂や砂利を混ぜたコンクリート(またはモルタル)を流し込んで土台を作る。必要なセメントは約25kg、砂や砂利75kg前後だ。

アスファルトはコンクリートよりも軟らかく、そのままでは固定できない。専用工具でアスファルトを削り、コンクリートを流し込んでアンカーを固定する。土やアスファルトに必要なセメントや砂、砂利などの材料はホームセンターで購入すれば総額も2000円前後で収まる。材料費は安く、作業そのものはそれほど難しくないが、穴を掘ったり、アスファルトやモルタルを作ったりするには時間がかかる。土台作りに1日~2日みておいた方がいい。

残土やセメントなどの処理も課題

間口1m×奥行き60cm×高さ160cmのサイズの物置の設置をプロに依頼した場合はどうか。カインズでは標準組立工費が8800円。アンカー工事は地面がコンクリートの場合4400円(4カ所、以下同)、土の場合が1万1000円、アスファルト1万5400円。その他に残土処理代が5000円、水平調整が1000円前後。単純に材料費・工費だけを比較すると、コンクリートに設置する場合が約1万円、土・アスファルトの場合は2万円以上お得になる計算だ。

コンクリートに設置する場合は、水平になっていることをきちんと確認できれば、DIYは有力な選択肢になる。土台が土やアスファルトなら、時間と労力、残ったセメントや残土の処分も課題になるのでじっくり考えたい。

③ウッドデッキ お得度は高いが手間と時間が必要

ウッドデッキ作りをプロに頼むと、樹脂製の人工木1間×3尺タイプ(1間=約182cm、1尺=約30cm)が10万円程度。2.5間×5尺タイプ25万円ほど。工事は通常1~2日で終わる。

組み立て式のキットも選択肢になる。180cm×90cmサイズのキットは2万5000円前後から。難度も数日かけてほぼ一から組み立てるタイプから、脚を取り付ける程度のものまで様々なものがそろう。

DIYでは丸ノコやインパクトドライバー、水準器などが必要。おおむねプロの半額以下でできる。大きいものは土台の基礎工事の知識も必要。「特に大型のウッドデッキを作る場合は、小さな狂いが大きなズレになる。細かい作業が正確にできる人向き」(小林さん)。

節約目的だけでは辛くなる?

ただし、大型ウッドデッキのDIYは完成まで数カ月かかることも。大人が数人いるとスムーズに進む。ただの節約目的でなく、家族や仲間とDIYを楽しむつもりでやるのがいい。節約できる額は大きいが、時間をかけてウッドデッキ作りを楽しむ気持ちがなければ、プロに任せるか組み立てが容易なキットを使うほうがストレスがない。

④水栓交換 お薦めはワンホール型、壁付けタイプは難しめ

水道回りの工事には資格なしでできるものと、有資格者でなければできないものがある。水栓(蛇口)交換には資格が必要ないため、DIYでも問題ない。

カインズで新しい水栓に交換する場合、工事費は9800円。「それほどハードルも高くなく、費用的にもやってみようと考える方が多い」(木村さん)

タイプにより難度に差

設置場所や水栓のタイプによって難しさは違う。

「一番簡単なのはキッチン用の下が丸いワンホールタイプ。所要時間は30分~1時間程度。少し道具は必要だが、説明書をきちんと読んでやればできる」(木村さん)。ただし、それ以外のタイプは難易度が上がる。

「壁付けの2つ穴があるタイプなど、ワンホール以外のDIYはあまりお勧めできない。設置にそれなりのコツが必要で、配管を折ったり、壊したりしてしまう可能性が高い。説明書を見ないタイプの人や、たぶんできるという感覚なら、プロに任せた方がいい」(木村さん)

水回りのDIYは失敗すると大きな問題になりがち。購入時に担当者の話を聞きながら、自分でできるかを慎重に見極めたい。

(市川史樹)

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