三菱自動車、一時7%安 円高で収益下振れに警戒
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4日の東京株式市場で三菱自動車株が大幅に反落した。一時前営業日(2022年12月30日)比35円(7%)安の475円と、およそ3カ月ぶりの安値をつけた。業績予想の前提となる想定為替レートを上回る水準まで円高・ドル安がすすみ、収益の下振れ懸念から売りに押された。

三菱自は2023年3月期の業績予想算出の前提となる想定為替レートを1ドル=134円としている。日銀の追加政策修正への思惑などを背景に、3日の外国為替市場では約7カ月ぶりに1ドル=129円台半ばまで円が上昇した。国内の製造拠点から海外市場に車を輸出する三菱自にとって、円高は採算を押し下げる要因になる。
会社側は今期の連結純利益を1400億円と前期比9割増を見込んでいるものの、市場では北米など海外市場の景気減速で新車販売が想定を下回るとの警戒感も出ている。auカブコム証券の山田勉氏は「円高と海外景気の悪化懸念から、自動車などの外需株はしばらく敬遠される展開になるのではないか」とみる。
信用取引の買い残を売り残で割った信用倍率(22年12月23日時点)は3.79倍と、22年3月以来の高水準だ。将来の売り圧力が増えており、需給面での上値の重さを指摘する声もあった。
