10月末の投信残高、上位10本中4本が指数連動型に
国内公募の追加型株式投資信託(上場投資信託=ETF=を除く)を10月末時点の純資産総額(残高)でランキングしたところ、インデックス型(指数連動型)が上位10本中に4本入った。月末ベースで4本がランクインするのは、1998年4月以来およそ24年半ぶりとなる。

インデックス型の中では、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」が今年2月から9カ月連続の2位でランキング最上位。5~7位に「楽天・全米株式インデックス・ファンド<愛称:楽天・バンガード・ファンド(全米株式)>」、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」、「SBI・V・S&P500インデックス・ファンド<愛称:SBI・V・S&P500>」が、それぞれ前月より4つ順位を上げて並んだ。
「米国株式(S&P500)」の残高は前月より2222億円多い1兆6449億円となり、月末ベースでは2018年7月の設定来で最大を更新した。前月比の残高増加額、月間資金流入額とも投信全体で最も多かった。首位を独走中の「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型」との残高の差も徐々に縮めてきている。昨年末時点は7900億円程度の差があったが、10月末には2300億円程度まで縮小した。
インデックス型以外も含めて見ると、1~4位は前月と同じファンドだった。「米国成長株投信D」が21年7月から16カ月連続で首位を守っている。10月末時点の残高は前月より1226億円多い1兆8756億円と、月末ベースでは2014年9月の設定来で最大となった。
一方、前月の5位から11位に順位を落としたのは、「netWIN GSテクノロジー株式ファンド Bコース(為替ヘッジなし)」。残高は前月より増えたものの、相対的に伸びが小さかった。このファンドが10位以下に後退するのは、20年6月以来となる。
また、残高13位の「投資のソムリエ」と、16位の「東京海上・円資産バランスファンド(毎月決算型)<愛称:円奏会>」の2本は、前月比で残高を減らした。どちらも複数の資産に分散投資するバランス型で、運用成績の低迷などを背景に資金流出が続いている。
(QUICK資産運用研究所 西田玲子)