/

震災への備え 地震保険を正しく理解して加入

自然災害への備えを総点検(下)

東日本大震災から11年の節目に、災害に備えてやっておくべきことを再確認する「自然災害への備えを総点検」。最終回は大地震への備えを取り上げる。地震による損害は火災保険では補償されないので、地震保険に加入する必要がある。地震保険の仕組みを正しく理解して適切に加入しよう。

今年で東日本大震災から11年。震災直後は高まった危機意識も薄れかけていたところに、首都圏は昨年10月、「3.11」以来の震度5強の地震に見舞われた。今年1月には日向灘を震源とする震度5強の揺れを観測。相次ぐ地震に、改めて備えの大切さを感じている人も多いのではないだろうか。

地震による損害は火災保険では補償されないので、別途、地震保険に加入しておかなければならない。仕組みを知って正しく加入しよう。

地震保険は火災保険にセットして加入する。火災保険の契約をする時に「地震保険を付けない」にチェックマークを入れなければ地震保険も同時に契約する仕組みなので、加入しそびれることはないのが普通だが、入っているか心配な人は保険証券で確認しておこう。

建物と同様に、家財の火災保険にも地震保険をセットしておく。ただし、家財の地震保険では、1個または1組の価格が30万円超の美術品や骨董品などは補償の対象とならない点に注意が必要だ。条件が同じなら、地震保険の補償内容や保険料は、どの損害保険会社で加入しても変わらない。

補償額は最大で火災保険の半分

地震保険は地震の揺れによる損害だけでなく、地震や噴火を原因とする火災、液状化、津波の損害なども補償対象だ。ただし、地震保険の保険金額はセットした火災保険の30~50%で建物は5000万円、家財は1000万円が上限となる。火災保険は建物を建て直せる金額で契約するから、補償が最大で半分の地震保険では、家が全壊しても建て直すことはできないということは知っておきたい。

また、大地震が起こり広い範囲で大規模な被害が出た場合でも速やかに保険金を支払うために、損害状況を4区分(2016年末までの契約では3区分)に分け、それに応じて契約金額の一定割合を支払う仕組みで、修理費の全てが賄えない可能性もある。それでも地震保険金があれば、「多くを失う被災後の生活再建に役立つことは間違いない」とファイナンシャルプランナーの清水香さん。補償を上乗せしたいなら、地震で損害を受けた時に保険金が支払われる特約を火災保険に付加したり、火災保険にセットせずに単独で加入できる地震火災費用保険に追加加入したりすることが考えられる。

地震保険料には割引がある

地震保険料は、建物の構造(鉄骨・鉄筋コンクリート造か木造か)と、建物のある都道府県で決まる。構造では木造の方が保険料が高く、地震による被災リスクが高い都道府県ほど保険料が高い。地震保険料は東日本大震災の後、3回に分けて改定された。さらに22年10月にも改定があり、全国平均では0.7%引き下げとなるが、大きく引き上げとなる都道府県もある。

自宅が木造の場合や、地震による被災リスクの高い千葉、東京、神奈川、静岡にある場合、保険料の負担は重い。それを軽減するには割引を漏れなく活用したい。建物による割引は幾つかある。該当する割引がきちんと適用されているかどうか保険証券でチェックしよう(ただし複数の割引を重複して受けることはできない)。「地震保険料は最大5年分をまとめて払うことができ、まとめた年数に応じた割引があるので活用するといい」と清水さんは指摘する。

ひとたび大地震が起こると被害額は膨大となり民間の損害保険会社では対応できない可能性があるため、地震保険は官民一体で運営する制度となっている。国にも保険金を支払う責任があり、損害保険会社が破綻しても契約者に支払われる保険金は影響を受けないので、必ず加入しよう。

(ファイナンシャルプランナー・馬養雅子)

[日経マネー2022年4月号の記事を再構成]

日経マネー 2022年4月号 中長期でがっちり儲ける 次世代10倍株
著者 : 日経マネー
出版 : 日経BP (2022/2/21)
価格 : 750円(税込み)
この書籍を購入する(ヘルプ): Amazon.co.jp 楽天ブックス

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

関連トピック

トピックをフォローすると、新着情報のチェックやまとめ読みがしやすくなります。

セレクション

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン