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地震や風水害への備え まずはリスクの把握から

自然災害への備えを総点検(上)

予測される大地震に激甚化する風水害――。日本で暮らしていくためには災害への備えが欠かせない。「自然災害への備えを総点検」では3回にわたり、今すぐ準備しておくべきこと、火災保険・地震保険の適切な加入の仕方などを紹介する。今回は災害対策の基本である日ごろの備えについて確認していこう。

ハザードマップでリスクを把握

自然災害はいつどこで起こるか分からず、被災者になる可能性は誰にでもある。その中で命と暮らしを守るためには、日ごろからの備えがとても重要だ。

自然災害に備えてまずやっておきたいのは、自宅周辺の災害リスクを知ること。そのためのツールが「ハザードマップ」だ。各自治体が作成していて、ネット上で見ることができる。

ハザードマップでは、自然災害で予想される浸水や土砂災害などのリスク度を示した地図や、避難所の場所、冠水して車両が水没する恐れのある箇所、土砂崩れや落石で通行規制が行われる箇所なども知ることができる。地震は予知が難しいが、地盤が弱い場所や活断層周辺は被害が大きくなりやすいので、ハザードマップで確認しておこう。

集中豪雨などによる河川の水位は刻々と変わるので、どのタイミングで避難するか判断が難しい。国土交通省のサイトにある「川の防災情報」では川の水位がリアルタイムで表示されるので、避難タイミングの見極めに役立つ。

急な豪雨の時は、気象庁のサイトにある「キキクル」も参照するといい。洪水、土砂災害、浸水の各危険度が地図上に5段階で表示され、情報は10分ごとに更新される。キキクルには災害の危険度が高まった時にスマートフォンにメールで通知が送られるプッシュ型のサービスもある。自然災害に関する情報サービスはかなり充実してきているので、どこにどんな情報があるかをあらかじめ調べておいて十分に活用したい。

被災を想定して準備を

被災した時にどのように行動するかを日ごろから考えておけば、万一の時にあわてなくて済む。 

マンションなどの場合は、建物が倒壊する可能性は低く、住める状態であれば「在宅避難」が基本だ。そうでない場合は避難所を利用することになるが、居心地が良いとは言えず、新型コロナの感染リスクもある。危機管理アドバイザーの国崎信江さんは「できるだけ避難所を利用せずに済むように、離れた場所に住む親族や友人に避難させてもらえるようあらかじめ頼んでおいてはどうか」と話す。ホテルに宿泊することや、財産を守るために生活に必要なものをトランクルームに保管しておくことなども選択肢となる。

災害時に役立つグッズも整えておこう。在宅避難の場合は飲料水や食料、災害用トイレ、ラジオや蓄電池などが基本だ。停電するとATMでの預金の引き出しやキャッシュレス決済ができなくなるので現金も必要。「公衆電話は災害時には無料で使えるが、一旦コインを入れる必要がある」(国崎さん)ため、小銭も用意しておこう。コロナ禍ではマスクも欠かせない。配給品の受取時などにはポリ手袋があると安心だ。

外出時の備えも忘れずに

自宅にいる時に被災するとは限らない。外出時に大地震などが起きるとケガをするリスクが高いので、止血パッドがあるといい。飲料水を持ち歩く人も多いが「トイレが近くなるのでゼリー飲料の方がよい」と国崎さんは話す。黒のポリ袋は、携帯トイレを使う時の目隠しや防寒、配給品の受け取りなど色々な目的に使える。

企業は帰宅できない社員のために備蓄品を用意することになっている。職場にどんなものが備蓄されているかを調べて、不足するものは自分で準備しておきたい。

被災した時は火災保険・地震保険の請求や紛失したクレジットカードの利用停止など、様々な手続きが必要になる。そのために求められる情報はまとめておく。クラウドにアップして家族で共有しておくのがお勧めだ。

(ファイナンシャルプランナー・馬養雅子)

[日経マネー2022年4月号の記事を再構成]

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