/

年収の違い・生活水準の違いを超えて続く友情を

「つながり」とお金(1)

今月は、年の暮れということもあり「つながりとお金」について考えてみたいと思います。私たちはいろいろな形でつながって生きています。お金で買っているつながりもあれば、お金とは無関係に得られるつながりもあります。

友人関係はさて、どちらでしょうか。

友人関係は「お金」で維持している?

コロナ禍ではリアルで人と会う機会がぐっと減少してしまいましたが、この年末は久しぶりに親しい友人とランチやディナーをしたいと考えている人も多いのではないでしょうか。

私も1年以上会っていない友人がたくさんいますが、さりとて飲み会のようなイベントは企画するのも勇気がいる時期です。感染状況やガイドラインを確認しながら、また人選にも悩みながらの年末となりそうです。

ところで、友人関係という「つながり」はお金と関係がないように思えますが、それは学生時代までの話です。社会人以降は「ランチ」「お茶」「ディナー」、あるいは「家飲み」のように場を設定して集まれば、会費がかかります。

あるいは「旅行」「映画や美術鑑賞」「カラオケ」「ゴルフ」のようなイベントで集まればやはりお金がかかります。

金額は数百円のときもあれば数万円のときもありますが、いずれにせよ友人関係の維持にはお金と密接にリンクしている要素があります。

もちろん「お金を渡して友達になってもらう」という意味ではありませんが、家計において「交際費」が一定の割合を占めているのは、気持ちよく友人関係を維持するためにお金がかかることをあらわしています。

友人関係はお金で買うものではない

「場」をつくるのにお金がかかるといっても、友人の笑顔や楽しい会話そのものはお金で得られるものではありません。例えば毎日、通話アプリ、LINEでメッセージのやりとりをしているような仲良しとの間にはコストはかかっていないわけです(厳密には通信費がかかっていますが)。

児童向けのマンガではしばしば、親の財力にモノをいわせてゲームやおもちゃで友人の気を引くキャラクターが登場しますが、通用するのは義務教育のうちです。いつしか友人関係は、お金では買えないつながりを表すものとなっていきます。

最初は家が近いから、といった理由で始まる友人関係は、趣味が合う、話がかみ合う、なんとなくフィーリングが合う、などいろんな理由でいろんな人と交わるようになり、幅広い友人関係を育むようになっていきます。離れる友人関係もあれば、また新しい友人関係が誕生することもあります。10年以上ご無沙汰であった友人ともう一度交友することもあるかもしれません。

いずれの場合でもやっぱり、友人関係はお金抜きで成立するところにおもしろさがあります。それは社会人になってからも同じです。

基本的にお金の貸し借りはしない

若い人に教えておきたい、友人との間で避けるべきお金のテーマがあるとすれば「貸し借り」です。

学生時代にはバイト代が入ったばかりの人がおごってくれて、その代わり自分が財布に余裕があるときはおごり返すようなことがあったかもしれませんが、社会人では基本的に避けるべきです。

それどころか「ちょっと苦しいから○万円を貸してくれ」というような関係になることは、貸す側であっても借りる側であっても、絶対に避けるべきです。簡単にお金を無心するようなことは友情があっても許すべきではありません。

返す返さないといったお金のトラブルが生じると、これは友人関係を崩壊させるものとなります。そしてお金の問題でこじれた友人関係は修復は困難です。

20代でお金がどうしても不足した場合は、親に頭を下げて借りて解決しましょう(キャッシングやカードローンなどは高金利で、未来に問題を先送りするだけなのでやめること)。

苦しい状況にある友人があって、友人間でカンパをすることがあったとしても、返金は求めない範囲、あなた自身の経済的余裕のある範囲で出すようにしてください。

「お金」を超えて一生の友人関係を持ちたい

最後にあなたにひとつ質問をしてみます。

「あなたの友人が10年後、あなたの2倍以上稼ぐようになっても友情関係は変わらずに続くと思うでしょうか」

この問題にためらわず「イエス」と答えられるのが、社会人の友人関係です。

仕事のキャリアは社会人になって10年たつ頃には違いを見せ始めます。年収が100万円以上違ってくることはしばしばあります。

また、家族環境が影響してくることもあります。親からの相続を受けたり、逆に親を経済的に支えなくてはいけなくなったり、大きな違いも表れてきます。結婚して子どもが誕生した友人と独身の友人とでも生活水準に違いが出てきます。

それでもなお、年収の違い、生活水準の違いを超えて、友人関係が続けられるなら、それは一生の財産といえます。

あなたがもし「稼ぐ側」になったとしたら、自分の立場をひけらかすことなく、できるだけ自然に友情関係を続けたいものです。あなたがたとえ「稼げない側」であったとしても、友人の成功を祝い、無理をせずにつきあいを続けていきたいものです。

あなたが年を重ねていくうちに学生時代の友人だけではなく、会社内で出会った友人といえる存在、社外で知己を得た友人など、いろんな友人関係が誕生していきます。アラフィフを過ぎた頃に振り返ってみて、あなたを支えてくれる人がいれば、それはとても幸せなつながりではないでしょうか。

◇  ◇  ◇

FP山崎のLife is MONEY」は毎週月曜日に掲載します。

山崎俊輔(やまさき・しゅんすけ)
フィナンシャル・ウィズダム代表。AFP、消費生活アドバイザー。1972年生まれ。中央大学法学部卒。企業年金研究所、FP総研を経て独立。退職金・企業年金制度と投資教育が専門。著書に「読んだら必ず『もっと早く教えてくれよ』と叫ぶお金の増やし方」(日経BP)、「日本版FIRE超入門」(ディスカバー21)など。http://financialwisdom.jp

初割ですべての記事が読み放題
今なら2カ月無料!

ファイナンシャルプランナーの山崎俊輔氏が若年層に向けて、「幸せな人生」を実現するためのお金の問題について解説するコラムです。毎週月曜日に掲載します。

関連トピック

トピックをフォローすると、新着情報のチェックやまとめ読みがしやすくなります。

セレクション

トレンドウオッチ

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン