JVCケンウ一時10%高 無線事業好調で業績修正
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3日の東京株式市場でJVCケンウッド株が一時、前日比40円(10%)高の428円まで上昇した。1日の取引終了後、米国での公共向け無線システム事業などが好調だとして2023年3月期の連結業績予想を上方修正、増配も発表した。業績拡大を好感した買いが2日連続で続いた。

23年3月期の連結純利益(国際会計基準)は前期比2.7倍の160億円を見込む。日本ビクターとケンウッドが統合した08年以降の最高益になりそうだ。半導体など部品不足の緩和や価格改定が収益を押し上げる。
米政府がデジタル無線への切り替えを推進しているほか、世界的に災害時などの通信手段確保への意識が高まり、無線機器事業での受注獲得が想定以上に進んだという。みずほ証券の田中健士シニアアナリストは1日付のリポートで、23年1〜3月期の業績予想は「やや保守的に映り上振れ余地も残る」と指摘した。
主力の車載機器は成熟感があるが、セキュリティー関連は拡大が見込める。予想PER(株価収益率)は4倍台と、無線機器で競合する米モトローラ・ソリューションズ(25倍台)などと比べて低位な面も、買い安心感につながっている。

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