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「3.11」の記憶、風化させず 自然災害に今できる備え

災害・紛争の不安に備える(1)

2011年3月11日に発生した東日本大震災から11回目の「3.11」がやってきます。都内に暮らす私も、たまたま立ち寄っていた浜松町のビルで被災し、歩いて帰宅しました。しばらくは物流の不安定さや余震の恐怖におびえつつ、被害の大きかった東北地域に関心を寄せたものです。

自然災害が多発する日本

その後も日本では震災が相次いでいます。名城として知られる熊本城の石垣が半壊した姿で衝撃を与えた2016年の熊本地震など、いくつかの大きな地震がありました。

台風や集中豪雨による水害も起きています。2018年の西日本豪雨は平成の最悪規模の水害となりましたし、土砂崩れを含む水害が箱根や広島で起こったことを記憶している人も多いはずです。

自然は人間が完全に御し得るものではなく、私たちは災害とつきあっていくしかありません。しかし、無防備につきあうのとしっかり備えて心配を減らしておくのとではまったく意味が異なります。

今月は災害や政情不安と私たちの生活(Life)、そしてお金(Money)はどう向き合っていくべきか考えてみたいと思います。

災害への備え 定期的にチェック 

国や地方自治体には日ごろから防災対策が求められていますが、個人ひとりひとりの視点からも災害への備えを考えておくことが大切です。

災害時にやはり必要なのは「備蓄」でしょう。新型コロナウイルス禍でトイレットペーパーやマスクが手に入らず、備蓄を意識する人が増えたと思います。感染が分かったあと自主隔離を余儀なくされる可能性も考慮し、食品を多めにキープしている人もいます。

こうした日用品、食料品を確保しておくことは、災害対策に個人ができる第1の取り組みでしょう。日常の食費や日用品の費用を圧迫する必要はなく「ちょっと多めに保有しておく」「なくなりかけたら、早めに注文しておく」というだけで十分に意義があります。

カップ麺などは賞味期限も意識しながらローリングストック(古いほうから食べていく)を心がけると、日常生活のストックと備蓄が一体化することになります。

こうした備えは大地震の直後は行っていたものの、徐々に気持ちがゆるんでしまいがちです。3.11のニュースを見かけたときなど、改めてチェックしてみたいところです。

家族との連絡体制も改めて見直しておきたいところです。同居家族との連絡方法、離れて暮らしている親族との連絡体制などは確認しておきましょう。スマホを使った連絡だけでなく、それ以外の選択肢も確保しておきましょう。

キャッシュレス時代にあえて小銭を少し持つ

さて、3.11以降の約10年間を振り返ってみたとき、「スマートフォン」と「キャッシュレス決済」の普及という大きな変化がありました。これからやってくる災害への備えとしては、この2つのインフラをどうするかという問題があります。

連絡手段として、また情報収集手段としてスマホを抜きに、今の生活は考えられません。また、そのスマホが決済手段としても機能しているため、バッテリー残量ゼロとなっては困ります。

日常生活においてもバッテリー切れが嫌で、モバイルバッテリーを毎日持ち歩いている人は多いと思います。これは災害対策でもあります。軽量でスマホの充電1回分くらいのバッテリーを持つことは有効ですし、家に置きっぱなしになっているバッテリーも充電をしておきましょう。

わが家には非常時のライトとバッテリーがセットになって、かつ太陽光でもチャージできるアイテムがあります(日常生活ではメダカの水槽の日照不足対策に使っている)。「備えあれば憂いなし」です。ひとつ備えておいてもいいでしょう。

また、「現金」を持つことも考えておいたほうがいいでしょう。災害の規模にもよりますが、実際にネットワークが断絶した場合、キャッシュレス決済は利用不能になります。どんなに便利なツールも、被災地ではまったく役立たないという恐れもあるわけです。パスケースの裏に千円札を数枚忍ばせておくとか、自宅に1万円札を1枚は置いておくほうが安心だと思います。

ひとごとではない「いつか」に備える

災害のことを考えるとき、私たちはどうしても「ひとごと」という感覚を持ってしまいます。これは仕方ないことです。1億2000万人が暮らしている日本で、ほとんどの人はテレビやネットのニュースで災害報道を見ています。

実際に小学校の体育館に避難するのは圧倒的少数です。しかしひとごととして考えている災害も、いつかあなたがその当事者となるかもしれません。そのときに、自分の人生とお金の問題が起きないか、ちょっと考えておきたいところです。

今年、3.11のニュースを目にしたとき、犠牲となった方々への哀悼の意を示しつつ、自分ごととして捉え直し、備えは十分か点検をしてみてください。

◇  ◇  ◇

FP山崎のLife is MONEY」は毎週月曜日に掲載します。

山崎俊輔(やまさき・しゅんすけ)
フィナンシャル・ウィズダム代表。AFP、消費生活アドバイザー。1972年生まれ。中央大学法学部卒。企業年金研究所、FP総研を経て独立。退職金・企業年金制度と投資教育が専門。著書に「読んだら必ず『もっと早く教えてくれよ』と叫ぶお金の増やし方」(日経BP)、「日本版FIRE超入門」(ディスカバー21)など。http://financialwisdom.jp

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