伊藤園、半年ぶり安値 原料費の高騰を嫌気
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2日の東京株式市場で伊藤園株が7日続落し、一時は前日比490円(7%)安い6050円と半年ぶりの安値をつけた。新型コロナウイルスの「オミクロン型」による飲料需要への悪影響が意識されたほか、コーヒー豆など原料費の高騰が収益を圧迫するとの連想が売りを促した。

終値は470円(7%)安の6070円と安値水準のまま引けた。売買代金は前日比7割増えた。
オミクロン型が国内で確認され、行動制限によりオフィス周辺のコンビニエンスストアや自動販売機向けの販売が減るとの懸念が浮上した。さらにコーヒー豆の米指標先物価格が10年ぶり高値圏で推移。タリーズコーヒー事業などで「コスト増に伴う収益悪化懸念が強まった」(国内証券)。
1日には2022年4月期の売上高予想を4031億円と、従来予想から69億円下方修正した。夏場の長雨で飲料販売が伸び悩んだほか、コロナ禍からの消費回復が想定より遅れているようだ。
一方で純利益は前期比83%増の128億円の従来予想を据え置いており「食品セクターでは健闘といえる」(auカブコム証券の河合達憲チーフストラテジスト)。株価は年初来安値の5880円に近づいており、下げ止まりを期待する声も多い。

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