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話題消えても残る株式 日銀、難路の「テーパリング」後

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日銀の買いがなくなって日本株が弱くなったと言うなら、それが実力だということ」。日銀の中枢幹部はうそぶく。最高値を更新する米国株に対し、日本株の出遅れ感が際立つことへの反応だ。

たしかに日銀はぱったりと上場投資信託(ETF)を買わなくなった。3月の政策点検で株価急落時など必要なときだけ買う方式に改め、4月以降の購入はわずか2回。1~8月の購入額は約7300億円と年12兆円の上限を大きく下回り、通年でも黒田東彦総裁が異次元緩和を始めた2013年以降で最少になる公算が大きい。

日銀がETFを買うのは午前中に東証株価指数(TOPIX)が2%超下落した日。そんな暗黙の新ルールが市場に広がる。日銀内からは「もっと柔軟に動いてもいいのに、急に買わない方向にかじを切った」との声も漏れる。10年以上続けてきたETF購入の「やめどき」を模索していた日銀執行部が、歴史的にみればなお株高の現在を千載一遇のチャンスと捉えて急旋回した姿が浮かぶ。

米連邦準備理事会(FRB)によるテーパリング(資産購入縮小)の決定時期や実行ペースに世界の関心が集まるなか、日銀のETF購入の有無が市場の話題にのぼることは減った。大胆なステルステーパリング(隠れた緩和縮小)は今のところ成功しているが、より重要な問題は時価で50兆円規模、東証1部の時価総額の約7%を占めるまでに膨らんだ保有株の今後の扱いだ。

「次の総裁になっても売らないんじゃないか」。ある日銀幹部の見立てだ。目標とする物価上昇率2%は全く達成のめどが立たず、緩和縮小を明示的に打ち出せる局面は現役の幹部陣も想像できない。ETF保有で得られる分配金が日銀の収益に占める比重が高まり、日銀当座預金への付利など政策運営のコストを賄ううえでETFの重みが増している現実もある。

日銀OBや有識者からは個人への譲渡案や政府の基金への売却など様々な提案が出ているが、日銀内では「賛否が割れるような方法は相当ハードルが高い」(幹部)との声が多い。満期になれば中銀のバランスシートから抜け落ちる国債と異なり、株式は売らない限り残り続ける。日銀がETF購入を抑えても大量保有を続けるだけで、市場の価格発見機能の低下や企業の経営監視の緩みといった副作用は残る。

FRB議長は政策の道筋をつけてから後任にバトンを渡すのが不文律とされる。黒田総裁は残り約1年半の任期中に、積み上がった株式保有の出口にめどをつけられるのか。株式市場が「日銀離れ」に慣れつつあるとしたら、総裁はテーパリングの先を見据えた市場との対話を考え始めてもいいころだ。

(斉藤雄太)

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