ファナック一時5%高 FA成長期待、大幅下落で見直し買い
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1日の東京株式市場で、ファナックの株価が一時前日比1135円(5%)高の2万3380円まで上昇した。昨日までの3営業日で計6%下落しており、新型コロナウイルス禍のなか、製造現場の無人化需要によるファクトリーオートメーション(FA)関連製品の成長性を考慮し割安とみた買いが入った。証券会社の目標株価引き上げも買い材料視されたようだ。

終値は同990円(4%)高の2万3235円で、売買代金は前日より約3割増えた。この日の市場ではダイキンやセイコーエプソンなど、足元の相場下落で大きく下げた銘柄への見直し買いが目立った。
大和証券は11月30日付のリポートで、ファナックの投資判断を上から3番目の「中立」から2番目の「アウトパフォーム」、目標株価を2万5000円から3万円にそれぞれ引き上げた。担当の田井宏介氏は「コロナ禍拡大や脱炭素化はFA関連企業にとって新たな事業機会に」と指摘。半導体などの部品不足を理由として10月下旬に2022年3月期の業績予想を下方修正したが「円安効果もあり、さらなる下振れ懸念は限定的」とコメントした。
一方、市場では「同社が高いシェアを占める中国国内での競合他社の存在は脅威だ」(いちよしアセットマネジメントの秋野充成取締役)との声もあった。
