会社員コンサルタントで副収入 本業のスキルを生かす
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人材不足とリモート化が追い風
会社員が週末や平日夜などの隙間時間に、副業として他社のコンサルティングを手掛ける「会社員コンサルタント」が広がりつつある。プラットフォーム会社などを介して案件を受け、企業の特定の課題を解決するものだ。『普通のサラリーマンでもできる!「週末コンサル」の教科書』の著書があるオンリーワン・コンサルタント養成アカデミー代表の鈴木誠一郎さんは、「専門分野で最低5年ほどの経験があれば、コンサルタントを目指すことができる」と話す。
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案件は、1時間の単発で請け負うものから、半年から1年契約で週末に月1~2回程度取り組むものまで様々だ。「人材不足を背景に、大手コンサルのメンバーの補充要員として働く案件も増えている」(鈴木さん)。その場合、1~3年の長期契約となることも多い。
現在はプラットフォーム会社も増え、「過去にないほど、副業でコンサルタント活動がやりやすい環境が整っている」と鈴木さん。コロナ禍で「100%リモートでもOK」の案件が多くなり、負担が軽減されたことも大きい。
IT系なら高収入も狙える
会社員コンサルの副業で得られる収入は案件により様々だが、1時間の単発で手掛ける「マイクロコンサル」であれば1件あたり2万~3万円が相場だという。初めは小さな案件から取り組み、徐々により長期の仕事を受けていくのもいいだろう。半年から1年契約の「特定プロジェクト型案件」であれば、報酬も高くなる。「例えば営業支援や人材育成支援などのスキルを活用する場合だと、月10万~50万円程度の収入を得られる」と鈴木さんは話す。

スキルの需要が高いほど、より高水準の報酬も見込める。最近は特に、システム導入などIT(情報技術)系のコンサルの引き合いが強い。また「営業コンサル、人材育成支援コンサルであれば、中小企業やベンチャーの案件が狙い目」(鈴木さん)。営業や人材育成のノウハウを持つ社員が不足している中小企業・ベンチャーは多く、それらの知見を持つコンサルタントの需要が急速に高まっている。

鈴木さんは、定年後ではなく現役のうちにコンサル活動を始めることを勧める。定年後になると仕事への興味・意欲が落ちていることもあるからだ。またコンサルを通して得られた新たな知見を、本業のスキルアップに生かせる点も大きなメリットだ。
(大松佳代)
[日経マネー2022年3月号の記事を再構成]
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