しょこら@さん、高配当で広がる自由な生活の選択肢 - 日本経済新聞
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しょこら@さん、高配当で広がる自由な生活の選択肢

投信ブロガー

ブログ「【24/7】高配当株とかマイレージとか車とか【独り言】」を運営する「しょこら@」さんは、40代半ばの男性。メーカーの海外営業部門で働き、関西の持ち家で(住宅ローンあり)、妻と大学生の子2人と共に暮らしている。

ブログ名先頭の「24/7」は「24 hours a day, 7 days a week」の略語で「年中無休」を意味する英語表現。ブログへの書き込みは週2~3回だが、昨年までは毎日更新していたそうだ。インデックス投資より投資効率が劣っても「配当重視」を貫く考えで、ブログでは保有資産の状況に加え、航空会社のマイレージをためながら世界各国を旅する様子や趣味のカーライフの書き込みも多い。しょこら@さんの資産運用を聞いた。

FIREを目指して配当投資に転換

――ブログを始めたきっかけを教えてください。

「ブログは2018年7月から始めました。配当投資の運用状況や考え方が中心ですが、趣味の旅や車にも触れています。内容は全て自分自身の体験に基づき、投資の実態も赤裸々に書き込んでいます。同じ関心を持つ方とつながることができればいいなと思っています」

――いつ頃から投資を始めたのですか。

「証券口座を開設したのは09年です。たまたまネット証券でトルコリラ建て債券を見かけ、利回りにひかれ60万円ほど購入したのが最初の投資体験でした。当時はまだあまり投資に関する知識がなく、最終的には為替で大きな損失を出してしまいました」

「16年ごろから個別株を買い始めましたが、配当投資に切り替えたのは18年からです。とある有名ブロガーが、経済的に自立して早期に離職する『FIRE(Financial Independence, Retire Early)』と呼ばれる生き方を選んだのに感銘を受け、配当収入を投資のコアにすることに決めました。それ以降、高配当の個別株やETF(上場投資信託)、J-REIT(国内不動産投資信託)に投資しています」

高配当の株と投信が半々

――資産配分を教えてください。

「生活資金を除く現金が15%ほどで、それ以外のリスク資産は半分が日米個別株、残り半分がETF、J-REIT、インフラファンドとインデックスファンドです(21年9月末時点)。賞与に加え、節約しながら月々の給与からも5万~10万円を買い付けに回しています(図A)」

――積み立て投資をしていますか。

「はい、つみたてNISA(積み立て型の少額投資非課税制度)と企業型DC(確定拠出年金)を活用しています。つみたてNISAでは年非課税枠の満額40万円でインデックスファンドを購入。買い付けによってたまるポイントも投資に回しています。10年間で500万円くらいの資産に育て、高配当の株やETFを買う原資にするつもりです」

――運用目標はありますか。

「目標はありますが、率よりむしろ配当金額を重視しています。現在の配当収入は税引き後で年間100万円強です。これを10年以内に240万円(月20万円)まで積み上げたいです」

「データを記録し始めた14年の資産時価は1100万円くらいでした。途中で出入りはありましたが、現在は3700万円になっています。昨年末と比較して20%増えました」

――なぜ配当重視なのですか。

「最低限の手間で安定した副収入が得られるためです。資産を取り崩すための計算が老後の運用としては大変になり、資産が目減りする心理的な抵抗感もあります。多少投資効率が劣っても保有したまま副収入が得られる配当重視の資産運用が自分にあっていると考えました。残った資産を家族に相続するのも可能です」

「J-REITやインフラファンドは、現物の不動産や太陽光発電設備を自分で所有しなくても、比較的小口で高い利回りの有価証券として購入できるので、借金のリスクを負いたくない私には魅力的です」

月20万円の配当金を目指して

――資産運用での成功体験や失敗談はありますか。

「昨年のコロナショック時に買った銘柄が大きな利益を生んでいます。当時は1日に数十万円もの資産が減り続け、心が折れそうになりましたが、『自分が目指すべきは株数、そして配当収入を増やすこと』と言い聞かせ、ろうばい売りせず逆に買い増したのが奏功しました。暴落したのは短期間でしたが、自分の信念を曲げずに乗り越えたのは一つの自信になりました」

「急騰している小型株に飛びつく『イナゴ投資』をして痛い目に遭いました。目先の利益に目がくらんで闇雲に買うのは、大損するリスクと表裏一体だと実感。仕組み預金を保有したのも失敗でした。資金が長期間拘束される割には利回りが低く、メリットは少なかったです」

――資産運用をしてよかったですか。

「はい、よかったと思っています。配当による副収入がまとまった額になると、生き方の余裕度・自由度が増えるからです。会社員としての収入だけだと給料が減ったり、リストラに遭ったりすると、とたんに生活が苦しくなってしまいます。月10万円の配当収入があると減給に対する耐性がつき、20万円まで増えるとそもそも正社員として働く必然性も薄れます。配当という副収入の強みです」

「家族は資産運用をしていませんが、子供たちには資産運用について何度か話してきました。就職したら証券口座を開設し、毎月少しずつでも積み立て投資するよう教えていきたいです」

――これから投資に踏み出す人にアドバイスを。

「自分に適した商品を見極めるのは簡単ではないかもしれません。悩んでいるときは、自分に近い目標や考え方、投資方針を掲げる人を、ブログやSNS(交流サイト)から探してみるのをお勧めしたいです。私自身、投資スタイルを模索していた時は、多くのブロガーの方々の考え方を参考にしました。ただし情報をうのみにするのは危険です。様々な意見を見比べ、自分の中で腹落ちさせるのが何より大切です」

「投資を始める上で、周囲に相談する相手がいないという方も多いでしょう。私も周りに、投資のことを話せる人が誰もいませんでした。SNSではFIREを目指す仲間がたくさんいて、自分も頑張ろう!と励みになります。配当投資に関心のある方は、私のブログも参考にしてもらえたらうれしいです」

(QUICK資産運用研究所 聞き手は西本ゆき、高瀬浩)

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