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通貨投機筋は123円狙い、黒田ラインはスルー

本欄2021年10月15日付に「円安も外国人主導の展開、118円オーバーシュートも視野」と書いたが、その目標を達成したいま、国際通貨投機筋は年内の1ドル=123円を次のターゲットに設定している。

2015年6月10日に、日銀の黒田東彦総裁が国会で円安けん制と受け止められる発言をして、1ドル=124円台半ばから後半が「黒田ライン」といわれてきたが、軽くスルーされている。さらに、騒然としたトレーディング現場では、実質実効相場は全く意識されず、ひたすら名目レートを追っている。日本経済に関する知見も薄い。

通貨投機筋の顔ぶれも変わった。

これまでは短期筋中心で、売買回転も速かった。

そこに、今回は、グローバルマクロ系ヘッジファンドも参入している。世界の政治経済情勢を読み、中期的なポジションを張ってくる。

それゆえ、2023年にかけて125円超を見込み、円買いポジションを積み上げる動きも見られる。

その根拠としては、資源輸入国、少子高齢化、日本企業の生産性低迷、などの構造理由が挙げられる。さらに、米連邦準備理事会(FRB)の利上げ7回を見込み、日米金利差拡大も予想する。

「安全通貨」としては、そもそもニューヨーク(NY)市場では、ドルが安全通貨との認識が定着している。「ドルは王様=キングダラー」とも言われる。

118円達成でかなりもうけたので、通貨投機筋の鼻息は荒い。

豊島逸夫(としま・いつお)
豊島&アソシエイツ代表。一橋大学経済学部卒(国際経済専攻)。三菱銀行(現・三菱UFJ銀行)入行後、スイス銀行にて国際金融業務に配属され外国為替貴金属ディーラー。チューリヒ、NYでの豊富な相場体験とヘッジファンド・欧米年金などの幅広いネットワークをもとに、独立系の立場から自由に分かりやすく経済市場動向を説く。株式・債券・外為・商品を総合的にカバー。日経マネー「豊島逸夫の世界経済の深層真理」を連載。
・ブルームバーグ情報提供社コードGLD(Toshima&Associates)
・ツイッター@jefftoshima
・業務窓口はitsuotoshima@nifty.com
  • 出版 : 日経BP
  • 価格 : 1,045円(税込み)

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