/

FOMC後、ドル実質金利急上昇 株に逆風

米連邦公開市場委員会(FOMC)で連続0.5%利上げの方向性が示されてから、ニューヨーク(NY)市場では、ドル実質金利が急上昇。リスク資産には逆風、債券には追い風となるので、株価への下押し圧力として効いている。

まず、米財務省発表の米10年債実質利回りが、FOMC前の5月3日0.14%から、5日0.18%、6日0.26%、9日0.30%、10日0.34%と上がっている。そもそもマイナス圏に沈んでいたが、本格的にプラス圏に入ってきた。

その背景として、名目金利が上昇したが、期待インフレ率が低下したことが挙げられる。

債券市場の予想物価上昇率を示すBEI(ブレークイーブン・インフレ率)は5年物で、FOMC前の4月28日に3.39%の高値をつけたあと、6日3.22%、9日3.06%、10日2.92%と下落傾向だ。

BEI10年物でも、4月21日3.02%の高値のあと、5月6日2.86%、9日2.75%、10日2.65%と下がっている。

NY市場では、市場の期待インフレ率がplummet(急落)という表現で語られている。

ファンドマネジャーの間では米国債の買い傾向も顕在化しており、名目利回りも10年債で3%を突破したあとは、上昇傾向に歯止めがかかった。

FOMC後には、地区連銀総裁や米連邦準備理事会(FRB)理事からの発言も相次ぎ、基本的にパウエル議長の発言を追認しているが、0.75%幅の利上げが、議論のテーブルから外されたわけではない、とのコメントもある。

FRBの強いタカ派姿勢に対して、市場は身構え、ポートフォリオのリスクを減らす動きが続いている。

豊島逸夫(としま・いつお)
豊島&アソシエイツ代表。一橋大学経済学部卒(国際経済専攻)。三菱銀行(現・三菱UFJ銀行)入行後、スイス銀行にて国際金融業務に配属され外国為替貴金属ディーラー。チューリヒ、NYでの豊富な相場体験とヘッジファンド・欧米年金などの幅広いネットワークをもとに、独立系の立場から自由に分かりやすく経済市場動向を説く。株式・債券・外為・商品を総合的にカバー。日経マネー「豊島逸夫の世界経済の深層真理」を連載。
・ブルームバーグ情報提供社コードGLD(Toshima&Associates)
・ツイッター@jefftoshima
・業務窓口はitsuotoshima@nifty.com
  • 出版 : 日経BP
  • 価格 : 1,045円(税込み)

日経電子版マネー「豊島逸夫の金のつぶやき」でおなじみの筆者による日経マネームック最新刊です。

この書籍を購入する(ヘルプ):Amazon

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

関連トピック

トピックをフォローすると、新着情報のチェックやまとめ読みがしやすくなります。

セレクション

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン