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「世界の成長株で長期投資を」 野村アセット中山氏

運用の達人

投資のプロの視点や信念は、資産形成に取り組む個人投資家にとってもヒントになる。野村アセットマネジメントで「野村未来トレンド発見ファンド(愛称:先見の明)」シリーズを手掛ける中山貴裕シニア・インベストメント・オフィサーに運用理念や注目の投資テーマなどを聞いた。中山氏は証券会社のリテール営業からファンドマネジャーに転身した異色の経歴を持つ。国内中小型株の運用を経て、現在は世界の成長株に投資するグロース運用のスタイルをとる。

――運用でのこだわりは何ですか。

「成長性に注目したグロース型の運用スタイルそのものが信念です。『世の中になかったモノやコトが誕生し、世界中の誰もが使うようになる』という変化に勝る投資対象はないと思っています。未来をつくるイノベーションを追いかけ続けていることがすごく楽しい。この仕事の最大の魅力です」

「成長性を最優先にしていますが、常にアクセル全開である必要はありません。グロース株には伸び盛りの銘柄もあれば、安定軌道に入った銘柄もあります。相場環境が追い風のときは攻めの銘柄、逆風のときは守りの銘柄のウエートを高くするなど、ポートフォリオを機動的に組み替えます。リスク対比でのリターンを高くするための工夫は、これまでの試行錯誤の結果です」

――投信評価会社からも高い評価を受けていますね。

「商品設計のわかりやすさや信託報酬の相対的な低さ、高リスクではないことなどを評価基準にした選考で、長期保有しやすいファンドとして3年連続で表彰していただきました。自分がこだわって続けてきたことを中立的な立場から分析・評価してもらえたことは、わたしの運用人生においての勲章です」

「このファンドが世に出るまでには長い歳月がかかりました。もともと2010年ごろに『投資家に長く保有してもらえる自社運用のグローバル株ファンドをつくりたい』という弊社の目標があり、そこに私個人の思いが重なったのが始まりです。約2年間の準備期間をもらってグローバル調査や運用シミュレーションなどを進め、東京から世界の成長企業に投資する運用プロセスを白紙から検討しました。そこから会社の自己資金でのパイロット運用、さらに2年間の実運用を経て工夫・改良を重ね、ようやく公募を始めたのが2015年でした」

――これまでのキャリアでピンチだったことはありますか。

「ファンドマネジャーの仕事を続けられなくなりそうになったことです。現職以前に2社で運用を経験していますが、それぞれ在籍していた部門の撤退などがあり、長く勤めることができませんでした。大好きな仕事を辞めるしかないかもという最大のピンチを乗り越え、こうして運用の仕事を続けられている幸せをかみしめています。市場環境が悪いときに投資していただいているお客さまに接するつらさも身を持って知っているので、運用が振るわないときに胃が痛くなることぐらいは、たいしたことではありません」

――どんな人がファンドマネジャーに向いているのでしょうか。

「特定のタイプというより、何かしら特徴があって強みを持っている人がいいと思います。わたしの運用チームにもいろんなタイプがいますが、年代や考えが異なる人たちが集まることで見える世界は大きく広がります。世の中のトレンドを察知するのに若い感性が生きることもあれば、ベテランの経験が生きることもある。多様性によって運用に深みや面白さが出てくるのです。最後は自分でリスクを取って決断する力。これはなくてはならないと思います」

――今、特に注目しているテーマはありますか。

「デジタルトランスフォーメーション(DX)です。コロナ禍によってビデオ会議システムなどテレワーク関連の領域が一気に成長しました。一方、IT(情報技術)関連の設備投資が特定分野に集中し、ソフトウエア開発などの分野は伸び悩みました。コロナ禍で待たされた領域のDXがここから伸びていくとみています」

――今後の目標を教えてください。

「中長期の資産形成に資するファンドに育てていきたいと考えています。これまで構築してきた運用のストラテジーに磨きをかけ、後輩や若手の育成にも力を入れながら、お客さまにずっと安心して運用を任せてもらえる強いチームをつくっていきたいです」

(QUICK資産運用研究所 望月瑞希)

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