DC専用、海外株式型インデックスファンドが人気 - 日本経済新聞
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DC専用、海外株式型インデックスファンドが人気

投信観測所

確定拠出年金(DC)専用で運用する投資信託への資金流入が継続している。7月末の純資産総額(残高)は9兆円を超え、過去最大規模になった(図表1)。ファンドタイプ別で5年前と比べると海外株式型の残高の伸び率が236%と最も大きく、次いで不動産投資信託(REIT=リート)型の217%やバランス型の119%などが続いた。個人の投資を促す制度整備が進み、老後に備えた資産形成を後押ししている。

2017年の制度改正で加入対象者が広がった非課税の個人型DC(iDeCo=イデコ)は2022年に制度変更が相次ぐ。4月から受給開始時期の上限が70歳から75歳に延長されたほか、5月からは加入可能年齢が65歳未満までに広がった。10月には企業型DCと併用しやすくなる。

岸田文雄首相が表明した資産所得倍増プランではiDeCoの制度改革も検討されており、「貯蓄から投資へ」の流れが加速するかどうか注目されている。

足元ではどんなDC専用ファンドが人気なのだろうか。DC専用の国内公募の追加型株式投信を対象に、直近3カ月間の資金流入額上位ファンドを調べた(図表2)。

上位には日本を除く世界の先進国株式に投資するMSCI-KOKUSAI指数の値動きに連動するインデックスファンドが6本ランクインした。アクティブファンドと比較して低コストで投資できるうえ、過去数年の高いリターンが注目され、若年層などリスク許容度が高い投資家に根強い人気があるようだ。ファンドの価格変動リスクを示す指標の「QUICK FUND RISK(QFR)」は6本とも、東証株価指数(TOPIX)よりやや値動きの大きいQFR「4」となっている。

首位は企業型DC向け「野村DC外国株式インデックスファンド・MSCI-KOKUSAI」だった。2位も1位と同じマザーファンドに投資するiDeCo向け「野村外国株式インデックスファンド・MSCI-KOKUSAI(確定拠出年金向け)」が入った。

一方で、バランス型への資金流入も復調傾向にある。DC専用の月間資金流入額をファンドタイプ別でみると、バランス型は6月にはトップの693億円と、2020年1月以来の高水準だった。米国など先進国の株価調整や金利上昇を受けて、比較的リスクを抑えたバランス型が好まれたようだ。直近3カ月のランキングでも投資家のリスク許容度に応じて選べる「三菱UFJ プライムバランス(確定拠出年金)」シリーズの「安定成長型」「成長型」「安定型」の3本がそれぞれ3位、4位、7位にランクインした。同シリーズは5つの資産の合成指数に連動するバランス型インデックスファンド。過去の価格変動リスクはQFR「1」から「3」で相対的に低リスクだった。

(QUICK資産運用研究所 戸崎志賀)

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