2022年の投資信託運用、海外成長株ファンドが苦戦
2022年の投資信託の運用成績は、海外グロース(成長)株ファンドの苦戦が目立った。年末にかけて値下がり傾向が続き、年間の下落率が6割を超えるファンドもあった。
国内公募の追加型株式投信(上場投資信託=ETF、ラップ・SMA・DC専用、ブルベア型などを除く、純資産総額100億円以上)を対象に、22年の年間リターン(分配金再投資ベース)をランキングしたところ、下位の5本には成長期待の高い海外のハイテク株に投資するファンドが並んだ。このうち3本は22年12月の月次リターンの下位ランキングにも入った。

年間リターンの最下位は、「デジタル・トランスフォーメーション株式ファンド<愛称:ゼロ・コンタクト>」で61.5%のマイナス。12月の月次も10.9%下落し、下位の5番目にランクインした。デジタルトランスフォーメーション(DX)のうち、人との接触を回避する「非接触型ビジネス」に関連した世界の株式に投資する。
このほか、年間と月次の両方で下位ランキングに入ったのは、「グローバル・プロスペクティブ・ファンド<愛称:イノベーティブ・フューチャー>」と、「グローバル・エクスポネンシャル・イノベーション・ファンド」。これらは3本とも成長株投資で知られる米アーク・インベストメント・マネジメントの調査力を活用し、日興アセットマネジメントが運用している。
年間の上位ランキングには、ブラジル関連が多く入った。5本のうち3本はブラジルレアルの通貨選択型、1本はブラジル国債に投資するファンドだった。昨年はブラジルレアルが対円で20%超上昇したことが寄与した。12月の月次では、上位に金(ゴールド)関連と中国株ファンドが入った。
(QUICK資産運用研究所 西田玲子)