「米国成長株投信D」、年初来の資金流入額トップに
投信ランキング
国内公募の追加型株式投資信託(上場投資信託=ETF、ラップ・SMA専用を除く)を対象に、今年1~4月の資金流入額(推計値)が多いファンドをランキングしたところ、上位には米国を中心とする海外の株式で運用するタイプが並んだ。
「米国成長株投信」、2本がランクイン
年初来の資金流入超過額が最も大きかったのは、「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型」で3173億円だった。成長期待が相対的に高い米国株の人気が根強く、同じシリーズの「Bコース(為替ヘッジなし)」も3位に入った。

2位は三菱UFJ国際投信の「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」で2234億円の流入超過だった。インデックス型(指数連動型)で業界最低水準の運用コストを目指す同シリーズからは、「全世界株式(オール・カントリー)」も5位に入った。この2本を含め、上位10本中4本が積み立て型の少額投資非課税制度(つみたてNISA)対象のインデックス型ファンドだった。
4位はアセットマネジメントOneが昨年12月に新規設定した「ファンドスミス・グローバル・エクイティ・ファンド」で1131億円だった。世界の株式のうち、業種・流動性・財務指標の各基準で銘柄を絞り込み、優良企業に厳選投資する。
8位に入った「三井住友DS グローバル・ターゲット戦略債券ファンド2022-03(限定追加型)」は、三井住友DSアセットマネジメントが今年3月に新規設定したファンド。世界各国の米ドル建ておよびユーロ建ての債券に投資し、満期まで保有する「持ち切り運用」を行う。設定時に557億円を集め、当初設定額では今年最大だった。
過去の人気ファンドから資金流出
一方、資金流出額の上位には、かつて人気を集めたファンドが目立った。資金流出超過額が最も大きかったのは、日興アセットマネジメントが運用する「グローバル・プロスペクティブ・ファンド<愛称:イノベーティブ・フューチャー>」で541億円。2019年6月の設定以降、資金流入超過の月が多かったが、運用成績の伸び悩みを受け21年春ごろから資金流出に転じている。
2位はアセットマネジメントOneの「グローバルESGハイクオリティ成長株式ファンド(為替ヘッジなし)<愛称:未来の世界(ESG)>」で487億円の流出だった。3位も同じ「未来の世界」シリーズの「グローバル・ハイクオリティ成長株式ファンド(為替ヘッジなし)<愛称:未来の世界>」が入った。
このほか、東京海上アセットマネジメントが運用する「東京海上・円資産バランスファンド(毎月決算型)<愛称:円奏会>」や日興アセットマネジメントの「ラサール・グローバルREITファンド(毎月分配型)」などからも資金が流出した。
(QUICK資産運用研究所 竹川睦)