過去20年、アジア株ファンドが好成績
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個人の資産形成への関心が高まり、金融機関が預かり資産重視の資産管理型営業へとシフトするなか、投資信託を活用した長期投資が浸透しつつある。
そこで、ファンドの長期リターンを確認するため、設定後20年以上経過した国内公募株式投信(ETF、DC・ラップ・SMA専用などを除く)375銘柄(2021年4月末時点)を対象に、過去20年のリターン(分配金再投資ベース)が高い順に並べてみたところ、上位はアジア株や国内中小型株に投資するファンドが目立った。

1位の「アジア製造業ファンド」、3位の「フィデリティ・アジア株・ファンド」、4位の「JPMアジア・成長株・ファンド」は、アジアの成長株に投資するファンドだ。1997年の通貨危機以降、アジア域内では国際分業が加速し製造業を中心に経済成長を遂げた。2021年4月までの過去20年で、インドネシアのジャカルタ総合指数が約1574%、インドのSENSEXが約1286%、韓国総合株価指数(KOSPI)が約445%、台湾の加権指数が約226%と、アジア株相場が軒並み上昇したことがファンドの運用成績に貢献した。
2位の「JPMザ・ジャパン」は、成長性があり、かつ割安と判断される日本株の中から株主重視の経営を行っている企業を選別し、投資するファンド。5位の「インベスコ ジャパン・エンタープライズ・オープン」、6位の「インベスコ 店頭・成長株オープン」、7位の「スパークス・ジャパン・スモール・キャップ・ファンド<愛称:ライジング・サン>」など、国内の中小型株に投資するファンドも好成績だった。
一方、先物取引を活用して運用する「日本トレンド・セレクト リバース・トレンド・オープン」や絶対収益追求型の「ユナイテッド・マルチ・マネージャー・ファンド1<愛称:新・フルーツ王国>」など特殊運用のファンドの20年リターンは大きくマイナスとなった。
(QUICK資産運用研究所 笹倉友香子)