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たくなくさん、インデックス投資は前提条件を納得ずくで

投信ブロガー

ブログ「お金の広場‐Money Square」を運営する「たくなく」さんは、東京でIT(情報技術)エンジニアとして働く33歳の男性。同じくITエンジニアの妻と都内の賃貸住宅で2人暮らしをしている。

ブログでは、どのようにお金と向き合って生きていくかについて、自身の考えをつづっている。一番儲かる資産は何か、など単なる金儲けの手段としての偏った価値観に基づく情報発信にならないよう心掛け、手堅いとされるインデックス投資にしても、自分なりに納得して投資することが大切という。たくなくさんの資産運用を聞いた。

ブログを情報共有の広場に

――投資を始めたのはいつですか。

「社会人2年目の2015年に個別の日本株を買ったのが最初です。その後、17年ごろから本格的に資産運用について勉強し始めました」

「少額から始めたことに加え、社会人たるもの投資くらい当然にするものだと考えていたため、『投資は怖い』といったハードルはほとんどなかったです。レバレッジをかけない現物株や投資信託なら、最悪でも投資元本がなくなるだけで破産するまでには至らないからです」

――ブログはいつ始めましたか。

「ブログは19年末ごろに始めました。17年から2年ほど金融商品や資産運用について自分なりに勉強し、記事として発信してみようと考えたのがきっかけです。文章を書くのが昔から好きで、今では家電製品やガジェット(道具)を使ってみた感想をまとめた雑記ブログも別に立ち上げて、気ままに情報発信しています。『お金の広場』では、その名の通り『広場』のようにブログを通じて多くの人と交流できたらいいなと思っています」

ワンルームマンションにも投資

――金融資産の配分を教えてください。

「投資を始めた15年当初の金融資産は預金が大半でしたが、現在はリスク資産が金融資産全体の7割ほどになりました。内訳は個別の日本株が約20%、主に米国株に投資する上場投資信託(ETF)や投資信託が約60%で、債券型のETFも少し保有しています(21年11月末時点)」

「これに加え、都内のワンルームマンションをフルローンで2部屋購入し、不動産投資にも取り組んでいます。収支が赤字にならないよう、生計に影響しない範囲にとどめていますが、資産運用の手段は多様なので、一つの手法には固執しない考えです」

――どんなファンドを購入していますか。

「購入しているのは大部分が米国株のインデックスファンドです。投信ブロガーの諸先輩の方々からインデックス投資のメリットを学び、資産運用の主力に位置付けています。低コストなので、ほったらかしにしてもいい長期資産形成の味方なのが魅力です(図A)」

「ただし、平均狙いのインデックス投資をするにしても『一時的にも最終的にも損をすることは十分あり得る。世界経済の成長が今後も続く』などの前提条件をきちんと自分なりに納得した上で投資を行うのがとても大切だと思います」

「何となくはやっているから、周りの人がいいと言っているから自分も、といったその場のノリでインデックス投資を始めても続かず、運用成果にはつながりにくい気がします」

給料をもとにした積み立て投資が基本

――運用成績や投資手法を教えてください。

「60歳時点で資産5000万円を確保する計画から逆算したうえで、かなり保守的に年平均3%以上を目標リターンの目安にしています。本格的な投資を始めた17年からのリスク資産全体の運用成績は投入元本に対しプラス30%ほどで、目標リターン水準を大きく上回っています」

「投資スタイルは毎月の給料をもとにした積み立て投資が基本です。つみたてNISA(積み立て型の少額投資非課税制度)は年非課税枠上限の40万円を利用し、企業型DC(確定拠出年金)は従業員が掛け金を上乗せできるマッチング拠出を上限まで活用しています」

――失敗談を教えてください。

「15年に株式投資デビューをした時に、チャートの動きばかりに振り回されて損を出し続けたことがあります。株価が下落すれば底値だと判断して安易に買い、さらに下がるなど散々でした」

「感覚的な株の売買を見直し、株価データを基に売買タイミングを判断するプログラムを友人と作って実際の取引もしましたが、再現性の乏しさや毎日こまめに売買しなければならない手間に限界を感じて、現在はこうした慌ただしい個別株投資からは手を引きました」

「そうして個別株投資からしばらく離れていましたが、お金の勉強の一つとして改めて財務や決算について学び直し、再チャレンジを始めたところです」

資産運用で経済感度アップ

――資産運用を始めてよかったですか。

「よかったです。経済的に余裕ができることはもちろん、お金の流れを理解したり考えたりするなかで経済への感度が上がり、世界のさまざまな物事が以前より多面的に見られるようになりました。お金に関する学びは奥が深く、趣味としても実りがあります」

「預貯金しか保有していなかった妻も刺激を受けたようで、つみたてNISAを開始し、企業型DCの運用商品も預貯金からインデックスファンドに変更しました」

――これから投資に踏み出す方にアドバイスを。

「インターネットにあふれる情報をうのみにせず、その情報に根拠はあるのか、事実に基づいたものなのか、そもそもインデックス投資は自分にとって有益なのか、など少し立ち止まって考えて、購入商品や運用手段を決めるのが重要です。自分にとって何が最適解かは人それぞれです。誰かにとって不正解でも自分には正解という場合もあります」

「自分は何のために資産形成するのかよく考え、人がこうしているからではなく、自分はこういう生活をしているから資産運用はこうしようと判断して、小さく始めて大きく育てるのがいいと思います」

(QUICK資産運用研究所 聞き手は西本ゆき、高瀬浩)

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