2021年の投信、9割近くが運用益に
2021年の投資信託の運用成績は全般に堅調だった。国内公募の追加型株式投信(上場投資信託=ETF、ラップ・SMA・DC専用、ブルベア型を除く)を対象に、1年間の運用成績を調べたところ、プラスのリターン(分配金再投資ベース)を上げたファンドが9割近くを占めた。

個別ファンドを年間のリターンでランキングしてみると、首位は三菱UFJ国際投信が運用する「eMAXIS Neo バーチャルリアリティ」で、85.4%のプラスだった。日本を含む世界のバーチャルリアリティー(仮想現実)関連企業の株式に投資する。過去3年のリターンも361.5%と好成績を上げている。21年11月末時点の組み入れ銘柄上位には画像処理半導体のエヌビディア、電子部品メーカーのシナプティクスなど米国企業が並ぶ。
2位は「UBS原油先物ファンド」のプラス80.1%。原油先物相場の上昇を受けて値上がりした。3位はベトナム、4位はインドと新興国株式に投資するタイプが続いた。

一方、年間のリターン最下位は大和アセットマネジメントの「トルコ・ボンド・オープン(毎月決算型)」で、39.4%のマイナスだった。トルコ債券の価格と通貨トルコリラの下落が響き、運用成績の悪化が続いた。下位ランキングにはトルコ関連ファンドが多く入った。
(QUICK資産運用研究所 西田玲子)
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