日経平均5日続伸、1年8カ月ぶり3万円回復

17日の東京株式市場で日経平均株価は5日続伸し、前日比250円60銭(0.84%)高の3万0093円59銭で終えた。終値で3万円を回復するのは、2021年9月28日以来、1年8カ月ぶり。外国為替市場で円安・ドル高が進行し、輸出株の追い風になった。値がさのハイテク関連株が買われたことも相場全体を押し上げた。短期筋のショートカバー(売り方の買い戻し)が入り、日経平均は後場に上げ幅を一時270円超まで広げた。
日本株は景気減速懸念がくすぶる米国株などと比べ、目先は固有の悪材料が少ないとの見方から国内外の投資家の買いを集めている。東京証券取引所のPBR(株価純資産倍率)1倍割れ企業に対する改善要請などを受け、日本企業の経営改革に対する海外投資家の期待も高まっている。「日本株に対する先高観は強まっており、持たざるリスクを意識した海外投資家の買いが株価上昇に弾みをつけた」(フィリップ証券の増沢丈彦・株式部トレーディング・ヘッド)という。
岸田文雄首相が18日に米台韓の半導体大手と面会し、日本への投資や拠点開設などについて意見交換すると伝わり、日経平均への寄与度が大きい東エレクやアドテストなど値がさの半導体関連株が買われたことも指数を押し上げた。市場では「半導体関連株に対する中長期的な成長期待は根強い。先週までの決算発表で今期の減益見通しが示され、当面の悪材料は出尽くしたとの見方から買いが入っている」(岡三証券の小川佳紀投資情報部長)との声も聞かれた。
東証株価指数(TOPIX)は4日続伸し、6.43ポイント(0.30%)高の2133.61で終えた。16日には1990年8月以来約33年ぶりの高値をつけており、連日で年初来高値を更新した。
東証プライムの売買代金は概算で3兆3542億円。売買高は14億2804万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は758と、全体の約4割だった。値下がりは1007、変わらずは70銘柄だった。
ファストリやソフトバンクグループ(SBG)など値がさ株の上昇が目立った。ダイキンや日東電、TDKも買われた。第一三共から後発医薬品企業を買収すると発表したクオールHDが急伸した。一方、テルモが安い。ファナックや安川電の下げも目立った。オリンパスや日立建機、住友ファーマも売られた。
〔日経QUICKニュース(NQN)〕