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楽天証券の投資信託積み立て、月額1000億円ペースに

投信観測所

楽天証券で8月、投資信託の積立設定額が月額1000億円を突破した。個人が資産形成をしやすい環境づくりに取り組んできた同社にとって、大きな節目となる成果といえる。これまで打ち出してきた施策や今後の計画などについて、楽天証券の由井秀和常務執行役員に聞いた。

――積み立て投資の現状について教えてください。

「投信の積立設定額は順調に伸びており、8月2日に月額1000億円に到達しました。サービス開始から500億円までは13年ほどかかりましたが、昨今の資産形成への興味・関心の高まりもあり、そこから約1年3カ月で500億円増になりました。8月初旬以降も設定額・設定者数は順調な増加傾向にあります」

――ここまで増えてきた要因は何ですか。

「お客様に寄り添い、初心者でも手軽に投資に踏み出せる環境を整え続けてきたことが実を結びました。大きな契機となったのは、楽天ポイントを使った『ポイント投資』と楽天カードでのクレジット決済の導入です」

「2017年5月に投信の最低買い付け額を1000円から100円に引き下げ、翌年9月にはポイントで投信を積み立てられるようにしました。おまけのような感覚で保有しているポイントで投資ができるしくみをつくることで、『投資は怖い』と感じているお客様の心理的なハードルを取り払い、気軽に投資を始めてもらえるようになりました。さらに楽天市場で買い物をするときにポイント還元率が上がるプログラムの条件の一つに投信購入を追加したことで、『使う・たまる』の循環を意識しやすくなり、これまで投資に興味のなかった一般大衆層にも認知度を高めることができました」

「クレジットカード決済での引き落としは18年10月に導入し、買い物と変わらない感覚で投資できるようにしました。投資を始めるには証券会社を選んだり、銀行からお金を移したりといった手続きが必要になりますが、決済にクレジットカードを使えるようにすることで、ネットショッピングに慣れている顧客層が同じ動線で投資に踏み出しやすくなりました」

――顧客数などはどのように増加していきましたか。

「顧客数や積立設定額はすぐには増えませんでしたが、18年につみたてNISA(積み立て型の少額投資非課税制度)が始まり、19年に『老後資金2000万円問題』が広くマスメディアで取り上げられるなかで、生活の延長線上で投資を始められるしくみが整っていた楽天証券を最初に選ぶ人が増える結果となりました。20年の新型コロナウイルス禍でもステイホームで将来のことを考え、資産形成を始める人が増えた印象です」

「積み立て投資は途中でやめる人が少ないことも大きな特徴です。最近、口座開設される方の6割超が30代以下と若く、老後資金のためにかなり長期での資産形成を想定しているため、相場が多少変動してもマイペースで続ける人がほとんどです。新規のお客様は若年層・女性・投資初心者が多いのですが、富裕層や準富裕層の伸びも顕著で、バランスよく顧客基盤が拡大してきています」

――今後の取り組みについて教えてください。

「銀行にお金を預けてもほとんど利息が付かない状況が続くなか、給与の一部を投資に回して将来のためにお金を増やそうという動きが若年層を中心に広がっています。NISAなど公的な制度改正が進められており、今後も投資人口は増えていくでしょう。日本の個人金融資産の半分以上を占める現金・預貯金をどれだけ投資に持ってこられるかが肝となります」

「資産形成にはリスクを取り過ぎないことも重要です。楽天証券ではお客様が安心して長く投資を続けられるよう、ポートフォリオ(資産構成)の考え方などについての情報発信にも力を入れてきました。9月10日にはオンラインセミナーなどで資産形成を学ぶ『資産づくりカレッジ』を開講しました。より多くの人の生活に投資が溶け込んでいけるように、サービス拡充に取り組んでいきます」

(QUICK資産運用研究所 西本ゆき、石井輝尚)

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