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20代東条さん、投資初心者はつみたてNISAから

投信ブロガー

ブログ「つみたてNISAの定石」を運営する東条翔平(ハンドルネーム)さんは、九州在住の20代後半の独身男性。大手証券会社の地方支店で販売業務に携わった経験を持ち、大学時代から始めた積み立て型の少額投資非課税制度(つみたてNISA)の投資経験や元証券マンとしての知見をもとに、投資初心者の第一歩を応援する目的で情報発信している。東条さんの資産運用を聞いた。

在学中につみたてNISAを開始

――資産運用を始めたのはいつごろですか。

「大学卒業直前の2018年1月に、つみたてNISAを始めました。もともと金融や経済に関心があり、在学中にファイナンシャルプランナーのAFP資格も取得していましたが、資産運用は周辺知識を吸収するだけで実践まで至っていませんでした」

「ちょうど税制優遇のつみたてNISAが始まったのと、もうすぐ社会人になるということで考え方を切り替え、投資に踏み出しました。つみたてNISAを始めてから今年で5年目になります」

――ブログ名「つみたてNISAの定石」に込めた意図を教えてください。

「友人からつみたてNISAの始め方の相談を受けることが何回かありました。とりわけ投資初心者の方がスムーズにつみたてNISAを始められるように、そしてできるだけ長く継続する手助けができればいいなと考えて、ブログではつみたてNISA関連を中心に情報発信しています」

「自分の経験からも、つみたてNISAは販売手数料がなく少額から始めやすいです。特に指数連動のインデックスファンドは管理の手間があまりかからないため、初心者向けと考えています」

インデックスファンドは低コストと残高で選択

――投資金額を教えてください。

「最初は毎月9000円を積み立て投資することから始めました。購入したのは日本株・海外先進国株・新興国株で運用する3本のファンドです。今は毎月3万3000円分のつみたてNISAを中心に株式で運用するファンドのみを購入し、投資対象の地域配分は国内15%、海外先進国31%、新興国19%、米国が35%の割合になっています(22年5月末時点、図A)」

「地域配分はこれまでの投資経験や書籍で学んだことを参考にして決めています。米国は人口動態や、イノベーション企業と効率的に資本を使える企業の多さから、長期的に経済成長が期待できる国として注目しており、米国の個別株も少しずつ購入しています」

「これまでの投資元本約264万円に対し、投資資産の時価は約60万円の日米個別株とあわせて約350万円です。この他に、生活防衛資金を含む現預金が250万円くらいあります」

「現金と投資資産の比率にはあまりこだわっておらず、差し当たり必要な生活費と生活費6カ月分くらいの生活防衛資金を確保できたら、残りは投資に回す考えです。金融市場が変調しても、生活防衛資金があると精神的な余裕を保てます」

――ファンドの選択基準はあるのですか。

「インデックスファンドはコストの低さと純資産総額(残高)の大きさの2つを参考に選んでいます。低コストファンドには資金が集まりやすいので自然と残高も大きくなるはずです。アクティブ(積極投資型)ファンドは、ファンドの運用理念に共感できるか、しっかり納得したうえで選んでいます」

「長期での市場平均狙いのため、リターンやリスク、資産運用の出口についてはそれほど意識していません。まだ20代なので、リスクをとって株式に投資するファンドのみを購入しています」

積み立て投資の効用を実感

――資産運用をしてよかったですか。失敗談はありますか。

「よかったです。投資を始める以前より世界の出来事への関心が高まり、世界経済への感度も上がってきたように思います。SNS(交流サイト)を通じた交流機会も増え、ブログが誰かの役に立っているかもしれないと思えるようになりました」

「高値づかみを避け、安い時に多く買い、高い時には少なく買う積み立て投資の効用をしっかり理解しているため、相場急落で元本割れしても退場を考えたりはしません。まだこれといった成功体験はありませんが、資産が着実に積み上がりつつあるのは実感できています」

「大きな失敗ではありませんが、つみたてNISAを始めた年の年末、たまたま米国市場のクリスマス休場などが重なってファンドの受け渡し日が遅れたため、その年の非課税枠を使わず、翌年の枠を使って買い付けしてしまったことがありました。それからは毎月の購入日を少し前倒しにしています。何でも分散する必要があると勘違いし、運用会社を別々に分けていたこともあります」

――これから投資を始める同年代の若者へアドバイスを。

「つみたてNISAで採用されているインデックスファンドで『低コスト』と『残高が大きい』という2つの条件を満たすファンドを選べば、大きな選択ミスはないと思っています」

「ただ、どれだけリスクに耐えられるかは年齢にもより人それぞれですので、資産配分や地域分散など基本的な投資知識は書籍で学び、投資の実践については同年代で資産運用をしている人のブログなどSNSを参考にしてみると良いのではないでしょうか。SNSを見ても、同世代の20代でつみたてNISAを始めた人が増えてきた印象です」

「コロナショックや今年年初からの相場下落など短期間では含み損になることが大いにあります。生活防衛資金を確保し、期待するリターンをあまり高く見積もらずに、少額で始めるのがいいと思います」

「日々の金融市場の動向に右往左往せず、長期投資し続けるのが理想です。その意味では、つみたてNISAは投資初心者が始めに手掛けて、長く続けるのにぴったりの制度なのでおすすめです」

(QUICK資産運用研究所 聞き手は西本ゆき、高瀬浩)

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