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「ぜんぞう」、タイミングを分け世界に分散投資

話題の投信

あおぞら投信の「あおぞら・新グローバル分散ファンド(限定追加型)<愛称:ぜんぞう>」シリーズが安定志向の個人マネーを引き寄せている。リスクを少しずつ増やす保守的なしくみと、「5年で15%増」という明確な目標設定などが受け入れられ、これまで預金中心だった銀行顧客らを分散投資の世界に呼び込んだ。

「時間分散・資産分散」でリスク抑制

「ぜんぞう」は購入期間が限られる限定追加型の投資信託で、あおぞら投信が3カ月に1本ペースで新規設定している。2014年8月から22年4月までに設定した本数は27本(償還済みを含む)にのぼり、22年5月末時点の純資産総額(残高)はシリーズ合計で1300億円程度だった。

日本を含む世界の株式と先進国の債券に分散投資するバランス型ファンドで、大きな特徴は株式の組み入れ比率を当初5%から毎月5%ずつ段階的に引き上げていく点だ。株式を買うタイミングを分散し、リスクを抑制するのが狙い。1年かけて株式の比率を60%まで増やし、基準価格が1万口あたり1万1500円以上(収益率15%達成)になったら安定的な債券運用に切り替える。

徹底した資産分散も特徴のひとつ。米ディメンショナルが学術的研究に基づき運用するファンドを通じ、およそ1万1400銘柄の先進国株式と新興国株式に幅広く投資する。先進国債券は高格付けに絞り、為替ヘッジをしてリスクを軽減している。

目標がわかりやすく、達成感を得やすい

「ぜんぞう」の運用期間は約5年だが、実際はそれより早く償還されることが多い。シリーズ27ファンドのうち19本がすでに目標の基準価格(1万1500円)を達成し、その後に大半が繰り上げ償還された。あおぞら投信によると、目標到達までの平均期間は2年4カ月。資産を増やすことに成功した投資家の中には、償還後に新規募集される「ぜんぞう」を買うリピーターが多いという。

シリーズの創設・運営の中心となったあおぞら投信の柳谷俊郎会長は、「目標がわかりやすく、達成感を得やすいしくみが投資初心者のニーズにマッチした」と話す。当初はあおぞら銀行のみで販売していたが、最近は地方銀行をはじめとする金融機関で取り扱いが増え、今年4月に設定した最新のファンドは22社が販売を手掛けた。

20年5月には新シリーズの「あおぞら・新グローバル・コア・ファンド(限定追加型)<愛称:十年十色>」を立ち上げた。同じく世界の株式と債券に分散投資するバランス型で、株式の組み入れ比率を最大70%まで段階的に引き上げ、10年で30%の収益率を目指す。さらにいつでも買える追加型で世界の株式に投資する「あおぞら・徹底分散グローバル・サステナビリティ株式ファンド<愛称:満天観測>」の運用を今年5月に始めた。どちらも米ディメンショナルのファンドを通じ、ESG(環境・社会・企業統治)の観点も踏まえて分散投資する。「ぜんぞう」で成功体験を積んだ投資家にとっても選択肢が増えた。

(QUICK資産運用研究所 竹川睦)

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