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資産運用、まずは「ロケーション」の検討を

運用相談室

資産運用の悩みは人それぞれ。投資信託をどう選んだらいいのかも年齢や年収、投資経験などで違ってくる。「運用相談室」では、資産運用のコツや実践方法をプロに解説してもらう。今回助言してくれるのは、独立した立場で運用をアドバイスするRIA(登録投資助言者)の安東隆司氏。

【相談内容】会社員のPさんは59歳。妻と子ども2人、実母の一家5人で関西圏に暮らす。亡父から相続した分も含め現金と預貯金が8000万円ほどある。いくらか資産運用に回したいが、これまで投資経験もなく、何から始めていいかわからない。

非課税制度の活用を

まずは資産をどこにどれくらい置くか、「アセット・ロケーション(資産の置き場所)」から考えるといいでしょう。これは米国のアドバイザーが行う最初の助言ステップです。置き場所として最優先するのは、非課税制度など有利な制度の利用です。税金が不要な分だけ、実際に手に入る運用益を増やすことができるからです。

日本の非課税制度には、一般の少額投資非課税制度(NISA)と積み立て型のつみたてNISA、個人型確定拠出年金(iDeCo)、企業型確定拠出年金などがあります。これらの制度で使えるものを積極的に利用しましょう。Pさんの場合は8000万円という大きな金額ですから、年間非課税枠が40万円のつみたてNISAよりも、年120万円の一般NISAを使うのが合理的です。

取引金融機関の選択も「アセット・ロケーション」の一つです。自分が本当に投資したい商品がそろっていて、コストの安い金融機関を選ぶことが長期の資産運用での満足度につながります。

低コストのインデックス運用が無難

非課税制度を使って残った部分は、預金に置いていてもその利息だけでは生活費の足しになりません。退職後も見据えながら、お金に働いてもらうために資産運用に取り組みましょう。まとまったお金を運用に回せるPさんは、一括での長期投資で投資効果が高まります。すべて一度に投資するのが心配な場合は、3回など複数回に分けて分割投資するのもよいでしょう。

運用商品は低コストのインデックス(指数連動)運用が無難だと思います。例えば米S&P500種株価指数に連動する上場投資信託(ETF)では、信託報酬が年0.03%といった低コストのものもあります。ETFは運用のプロや富裕層、各国の中央銀行も利用している商品です。

安定成長が見込める資産に投資を

ここからいよいよ資産配分(アセット・アロケーション)の検討に入ります。成果を期待して運用するのですから、安定的に成長する国・地域や資産に投資をするのがよいでしょう。世界中の人々が利用している便利なモノやサービスを思い浮かべてみてください。革新的なサービスを生み出している企業はどこか、それらがどの国・地域に多く存在するかを考えてみましょう。特定企業の株式への集中投資は経営破綻したときのダメージが大きすぎますが、例えばS&P500に連動するインデックス運用なら米国を代表する500社の株式に分散投資ができます。

資産の取り崩しも視野にあるなら、株式だけでなく債券への分散投資も考えましょう。安定したキャッシュフローを得ることができ、それを生活費などに充てることができます。ETFには投資適格の社債などに投資できる種類もあります。株式や債券などの資産をそれぞれどんな比率で持つか、その資産配分を決めるのが「アセット・アロケーション」です。

安東隆司氏
RIA JAPAN おカネ学(東京・中央)代表取締役。著書に「元メガバンク・外資系プライベートバンカーが教える お金を増やすなら この1本から始めなさい」(ダイヤモンド社)など。

(QUICK資産運用研究所)

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