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福岡銀行、ゴール目指し伴走 新しい投信提案のカタチ

投信観測所

投資信託の販売現場が変わりつつある。商品ありきの従来の販売スタイルを転換し、顧客が資産形成で目指すゴールに向け伴走する「ゴールベース・アプローチ」の手法を取り入れる金融機関がじわじわ増えてきた。

そんななかで一歩先を行くのが福岡銀行だ。注目されているのが2020年2月にリリースした「投信のパレット」サービス。2年の歳月をかけて開発した新しい投信提案のカタチについて、取締役専務執行役員の五島久氏、営業統括部の丸田哲也氏、原清輝氏に話を聞いた。

最適なポートフォリオを提案

――ゴールベース・アプローチを導入した背景を教えてください。

「『人生100年時代』や『老後2000万円問題』が話題になり、資産形成への関心が高まるなかで地域金融機関の役割は何かを改めて考えたときに、お客さま本位の長期的な資産づくりのサポートが重要だという結論に至りました。お客さまの資産を増やすお手伝いをすることは、当行の投信残高の拡大とそこから得られる安定収益の獲得につながります。この好循環によってビジネスを持続可能なものにしていくことを考え、中長期でお客さまと伴走していく営業スタイルに舵(かじ)を切りました」

――「投信のパレット」の特徴は。

「お客さまに資産づくりの目的やゴールをヒアリングするところから始め、目標にするリターンを決めます。そのうえで5つの質問から成る適合性診断を行い、資産配分が異なる6つのコースからお客さまに最適なポートフォリオを提案します。資産配分の大枠を決めたあと、実際に組み入れるファンドは当行で厳選したラインアップからお客さま自身に選んでもらいます」

「運用しながら毎月一定額を受け取れる『定額換金受取りサービス』も利用できます。資産寿命を延ばしつつ、年金の補完ニーズなどに応える仕組みとして昨年8月に導入しました。また、コンサルティングやアフターフォローが手厚く、対面とリモート両方のチャネルで対応しています。来店されたお客さまは支店の行員に加え、リモート機能を使って本部にいる専門のコンサルタントとも面談できます。来店が難しい場合も、自宅からパソコンやスマホの画面越しでご相談やお申し込みいただけるようにしました」

独自のシステムでファンドを評価

――個別の投資信託はどのように選んでいますか。

「ポートフォリオに組み入れるファンドは、独自に開発した投信評価・分析システムを活用し、定量データから公平・中立に評価しています。約4800本を投資対象や運用方針で45のグループに分類し、同じ分類のなかから長期の運用実績などを評価しファンドを抽出、そこから運用会社の信頼性など定性評価を加味して組み入れファンドの候補をリストアップしています。長期のデータで分析・評価するため、設定から間もないファンドは対象になりません」

――ファンドラップとの違いを教えてください。

「『投信のパレット』では、ポートフォリオの中身を選ぶのはお客さまです。一方、投資一任のファンドラップは金融機関が運用商品を選びます。運用中のリバランス(資産配分の再調整)についてもファンドラップは自動で行い、『投信のパレット』はその都度お客さまに確認します。また、『投信のパレット』のコスト負担は投資対象ファンドに絡む費用だけで、投資顧問報酬はかかりません。こうした違いを踏まえ、お客さまの好みやライフスタイルに合ったものを選んでもらっています」

資産づくりを長期でサポート

――顧客や担当者の反応はどうですか。

「お客さまが他社で購入した商品も含め、客観的なデータに基づいた評価・分析をお見せできるので、いまの運用方法でいいのか悩んだり、ファンド選びに不安を抱えていたりするお客さまに好評です。当行が独自に幅広くファンドをモニタリングしているからこそ提供できるサービスといえるでしょう。担当者も短期的な相場の上げ下げで不安になることが減り、長期目線でお客さまの最良の選択をサポートしやすくなりました」

――今後の方針を教えてください。

「『投信のパレット』は50代後半のお客さまがメインですが、より若い現役世代向けにも同じ理念に基づく積み立て投資のプランなどを用意しています。引き続き『長期投資、資産分散、積み立て』の3つの軸をベースにして、お客さまのコアとなる資産づくりをお手伝いしていきます。地域金融機関が今後も成長するには、地元のお客さまとのサステナブル(持続可能)な関係構築が欠かせません。これからもお客さまのためにどうあるべきかを常に考え、商品やサービスの拡充、行員の教育などに取り組んでいきます」

(QUICK資産運用研究所 望月瑞希)

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