日経平均反落、終値218円安 欧米の金融不安で

16日の東京株式市場で日経平均株価は反落し、大引けは前日比218円87銭(0.80%)安の2万7010円61銭だった。1月23日以来の安い水準となる。欧米で金融システム不安が広がるなか、運用リスクを取りにくくなった投資家による換金目的などの売りが優勢だった。日経平均の下落幅は朝方に500円を超えたが、下値では値ごろ感からの買いが入り、その後は次第に下げ渋った。
15日の欧州市場で業績不振が続くスイス金融大手のクレディ・スイス・グループ株が過去最安値を更新した。筆頭株主が同グループに追加投資をしないと伝わったためで、米銀の経営破綻をきっかけとした金融システム不安が欧州にも波及した。東京市場では朝方に金融を中心に主力株はほぼ全面安で始まった。
一方、クレディ・スイスが日本時間16日午前に資金調達策を発表し、流動性の低下など同社の経営に対する警戒感がいったん後退した。短期筋による株価指数先物に断続的な買い戻しが入り、日経平均も急速に下げ渋った。米長期金利の低下などを受け、グロース(成長)株への見直し買いも入った。
市場では「相場水準が大きく切り下がったため、国内機関投資家から打診買いも入った」(国内証券トレーダー)との声があった。
東証株価指数(TOPIX)は反落した。前日比23.02ポイント(1.17%)安の1937.10と、1月20日以来の安値水準で終えた。
東証プライムの売買代金は概算で3兆5488億円。売買高は16億5488万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は1582と、全体の8割を超えた。値上がりは218、変わらずは37銘柄だった。
第一生命HDやT&Dが大幅下落した。住友鉱や神戸鋼、三井物も安い。半面、ZHDやサイバーが2%あまり上昇した。花王やNTTも高い。
〔日経QUICKニュース(NQN)〕