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国内株式型投資信託、バリューとグロースどちらが優勢?

投信観測所

2021年から本格的に始まった「割安(バリュー)株優位」の相場。22年も残すところ2カ月あまりとなったが、成長(グロース)株に対してバリュー株のパフォーマンスが相対的に良い流れが足元でも続いているのか、株価指数の動きや投資信託の運用成績を比べてみた。

21年は東証株価指数(TOPIX)のバリュー指数のリターンがプラス14.5%だったのに対し、グロース指数はプラス6.6%だった(図表1)。今年は9月末までの年初来リターンがそれぞれマイナス0.5%、マイナス14.9%となり、いまのところ「バリュー株優位」の流れは変わっていないようだ。

主に日本株で運用する国内公募の追加型株式投信(ETF=上場投資信託、ラップ・SMA・DC=確定拠出年金専用、ブルベア型、通貨選択型、条件付き運用を除く)の年初来リターンランキング(分配金再投資ベース)でも、上位10本のうち9本が高配当株ファンドをはじめとするバリュー型ファンドだった(図表2)。

3位の「ダイヤセレクト日本株オープン」は三菱UFJフィナンシャル・グループ三菱電機など三菱グループ企業の株式を組み入れたファンド、5位の「日本製鉄グループ株式オープン」は日本製鉄株の組み入れ比率が5割弱を占めるファンド、10位の「日本郵政株式/グループ株式ファンド」は日本郵政、ゆうちょ銀行かんぽ生命保険の3社のみを組み入れたファンドで、いずれもバリュー株の構成比率が高いのが特徴となっている。上位3位まではプラス10%を超えるリターンを獲得した。

ただし、四半期ごとのリターンでは見え方が変わってくる。図表1に示した22年の四半期ごとのリターンを見るとわかるように、1~3月期と4~6月期はTOPIXグロースがそれぞれ7%超のマイナスを記録し、TOPIXバリューに対して大きくアンダーパフォームしたが、7~9月期はリターンが逆転した。

個別の投信の3カ月リターンランキングでも、四半期ごとで上位の構成ががらりと変わっている。図表3ではバリュー型ファンドを青、グロース型ファンドを赤に背景を色付けしたが、1~3月期と4~6月期はバリュー型ファンドが多く顔を並べた一方で、7~9月期は中小型や新興市場関連のグロース株ファンド一色へと変化したのがわかる。

これは今年7月ごろに米国の景気減速懸念が強まり、米連邦準備理事会(FRB)による利上げスピードの緩和期待や米国の長期金利の低下が進んだことによって、グロース株が息を吹き返す局面があったからだと考えられる。しかし、足元でもFRBは金融引き締めのスタンスを変えていない。米国の長期金利も再び上昇基調となっており、このまま「グロース株優位」の相場に移行するかには疑問が残る。当面は世界景気の先行きや米国の金融引き締めのスピードによってマーケットがかく乱される展開が続くと予想されるため、明確なグロース選好への相場転換はまだ先になりそうだ。

(QUICK資産運用研究所 平原武志)

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