日経平均終値727円高、米大幅利上げ観測が後退
祝日明け12日の東京株式市場で日経平均株価は3営業日ぶりに反発し、前営業日比727円65銭(2・62%)高の2万8546円98銭とこの日の高値で終えた。1月12日以来7カ月ぶりの高値水準。米市場でインフレ鈍化を背景に大幅利上げの観測が後退し、運用リスクをとる動きが東京市場にも波及した。
米労働省が10日発表した7月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比8・5%上昇したが、伸び率は前月(9・1%)から縮小し、市場予想(8・7%)も下回った。物価の伸びが鈍ったのを受けて米連邦準備理事会(FRB)の大幅利上げへの観測が後退し、米株式市場では10~11日にダウ工業株30種平均が1・7%上昇。東京市場でも投資家心理が上向き、グロース(成長)株を中心に幅広い銘柄に買いが入った。
国内では主要企業の4~6月期の決算発表がほぼ一巡した。ホンダや日揮HDなど、市場予想に比べて堅調な決算や業績見通しを手掛かりにした個別銘柄の物色も相場の支えになった。
短期筋のショートカバー(売り方の買い戻し)が中心で長期資金の流入は乏しいとの声が聞かれるなか、2万8500円近辺では利益確定や戻り待ちの売りも出た。
東証株価指数(TOPIX)は3営業日ぶりに反発し、終値は前営業日比39・53ポイント(2・04%)高の1973・18で終えた。
東証プライムの売買代金は概算で3兆7126億円と、約1カ月半ぶりの高水準。株価指数オプションとミニ日経平均先物8月物のSQ算出に絡む売買があった。売買高は14億5793万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1607と、全体の9割近くを占めた。値下がりは192銘柄、変わらずは39銘柄だった。
DOWAや大平金が上昇。ファナックや安川電も買われた。ソフトバンクグループ(SBG)、楽天グループも高い。半面、OKIや富士フイルムが下げた。川重も安い。
〔日経QUICKニュース(NQN)〕