首位は53カ月連続 堅調な資金流入が続くファンドは?
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投資信託は相場環境の変化により人気の浮き沈みが激しく、資金流入額が大きく増減する場合がある。今年はロシアのウクライナ侵攻や米国の利上げ姿勢の強化などで株式相場が大きく下がる場面もあったが、そんな中でも継続して資金が流入しているファンドもある。
2022年5月末時点で運用中の国内公募の追加型株式投資信託(上場投資信託=ETF、DC・SMA・ラップ専用を除く)を対象に、設定額から解約額を差し引いた資金流入額が、連続して10億円超となった月数が長い順にランキングした。その結果、低コストで運用できるインデックス型(指数連動型)に加え、アクティブ型(積極運用型)でも長期にわたって人気を集めているファンドがあることが分かった。
1位は三菱UFJ国際投信が運用する低コスト投信「eMAXIS Slim」シリーズの「eMAXIS Slim 先進国株式インデックス」で、53カ月(4年5カ月)だった(図表参照)。同ファンドは日本を除く先進国株式の値動きを示す「MSCIコクサイ・インデックス(配当込み、円換算ベース)」との連動を図るインデックス型。積み立て型の少額投資非課税制度(つみたてNISA)対象商品でもある。5年リターン(分配金再投資ベース)はプラス91.0%で、ネット証券などを中心に販売されている。

2位は同じく「eMAXIS Slim」シリーズの「米国株式(S&P500)」で、継続月数は46カ月(3年10カ月)。米S&P500種株価指数(配当込み、円換算ベース)との連動を目指し、純資産総額(残高)は国内のインデックス型で最大級だ。こちらもつみたてNISA対象商品になっている。
「eMAXIS Slim」シリーズは、4位タイの「バランス(8資産均等型)」と8位タイの「全世界株式(オール・カントリー)」を合わせ4本がランクインした。4本とも、設定以降月間ベースで資金流出に転じた月はなく、堅調に資金を集め続けている。
上位10本を見ると、7本がインデックス型で、その全てがつみたてNISA対象商品だった。ネット証券を中心として低コストのインデックス型の人気は継続しているが、3位の「NWQフレキシブル・インカムファンド 為替ヘッジなし(毎月決算型)」や、4位タイの「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型」などのアクティブ型にも長く資金流入が続いている。特に「米国成長株投信D」は対面証券での人気が高く、国内最大規模の残高を誇っている。5年リターン(分配金再投資ベース)はプラス123.1%と10本中最も高かった。
(QUICK資産運用研究所 西本ゆき)